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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
我が家は恐ろしく寒い
ということは実は寒さに強いのかもしれません

モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

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自分からなかなか入っていけない臆病者。。。


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【 とおりゃんせ 】

やはりパークリです。

先にUPされているものとは2人の関係は大分違います。
ゲーム中の話で
パーシヴァル自身も少し性格違うかもしれませんがうちのパーシヴァルの基本はこっちだったりします。



この作品は昨年、お世話になってます幻想水滸伝もの書きさん同盟さんへ投稿させて頂いたものです。





 このままこの想いを温め続けるべきか
 今、断ち切るべきか
 きっとそれは螺旋のごとく深みに嵌め
 羅刹のごとくこの心を喰らい尽くすのだろう
 今、断ち切らなければ
 もう俺は戻れない…


【 とおりゃんせ 】


 朝駆けに出て、厩舎に愛馬を返しその足でバーツの畑で取れたての野菜を頬張る。それが俺のここでの日課だ。
 ここは居心地がいい。朝と夜の自由な時間を存分に使いたくなる。ボルスなどはそれを言うと必ず怪訝そうな顔をするのだが、俺は結構気に入っていた。
 もちろんブラス城が居心地悪いわけじゃない。あそこは今の俺がある、そのすべてが築き上げられた場所。俺の、大切な第二のふるさと、だ。ただ、あの石造りの冷たい城塞は少し風通りが悪く時々息が詰まりそうになるのは確かだ。遠征先から戻った時に我ら主を出迎えるブラス城はとても暖かく優しく戦の疲れを癒してくれる。しかし寝付けない夜にそっと城内を抜け出し背に聳えるブラス城を見上げるとあたかも本性を出したかのように飄々とその冷酷さをかもし出して佇んでいる。それを見るたびにぞっとする。
 このビュッデヒュッヶ城はどんな時もぬくもりに溢れいわば太陽、ブラス城は月といったところか。どっちも悪くない。男ばかりのブラス城と違って華があるし色んな種族のものが集まり色んな国のものが集まり…何よりここはイクセに近いからか馴染みやすいのだろう。


「パーシィ!見てくれよ!今日はトマトもいけるぜ」
 畑に向かって声をかけるとうれしそうにバーツは畑の一角からひょこっと顔を出した。
 トマトか。バーツのトマトは絶品だ。イクセの豊稜祭でクリス様と一緒に食べたトマト。苦味がなく甘く瑞々しい真っ赤に熟れたトマト。一口かじればあの時と同じ味が口の中に広がる。
 この戦いは自分たちの知らないうちにずっと前から始まっていたわけだが、あの時、すべての事は始まったかのように思えて仕方ない。
「懐かしいな」
 俺の考えていたことを知ってかバーツがぽろっとこぼす。そう…懐かしい。
「なんだかもう何年も前のことみたいだよ」
「そんだけ目まぐるしく働いてりゃな」
「そうだな…」
 バーツが手塩にかけて育てた見事な畑が、イクセの輝く稲穂たちが一瞬にして焼け焦げたあの日、俺の中で何かがかわった。
 気を張りすぎたクリス様の心に新鮮な空気を差し上げたくてそれと多少の抜け駆けが目的で何年かぶりに戻った故郷は俺に新たな試練と、そして大切なことを気づかせてくれた。  
 まぁ、もともと自分で言うのも何だが柔軟な考え方を持ち合わせているほうだから、クリス様がナッシュ殿と旅に出ることへ他のものほど疑念を抱くことはなかっただろうが、イクセの村が俺にくれた答えがそれを肯定してくれていたのだ。
 戦うこと、そしてその意味を。
 大切なものを守るということ、その重さを…。
 守るということはどういうことなのか。
 焼けたイクセの村は、それはどこかで見たことのある風景で、俺はカラヤの件にはかかわっていなかったが、カラヤといわずそれは敵軍の野営だったり…幾度となく己の勝利の前に眼にした風景。その光景を前に、勇敢に志を遂げて逝ったものを思い、残されたものを思い…決してこの勝利に酔いしれてはいけないと戒める。
 が、結局己は酔いしれていたのだろう。自分の力の前に…。
「しかしよ、こうしてるといくら立派になったって言ったってパーシィはやっぱパーシィだな」
「どういう意味だよ」
「成長がない」
「…あのなぁ~、お前にゃ~言われたくないよ」
「どこがだよ。俺はこうして愛する畑を耕しておいしい野菜を作ってこんなに立派じゃねーか」
「…自分で自分のこと立派って言うやつがあるかっ。お前も変わらないよ」
「はははっ、いや、変わらないことって良いことだよな、って思ってさぁ」
「…そうだな。だから先へ進んでいける自分もいる」
「パーシィはさ、考えすぎなんだよ。昔っから」
「あー…」
「わざわざ自分から重いもの背負い込むこたないと思うぜ」
「そんなつもりはないんだがな。気が付くとな~んか肩が重いんだよ」
「苦労が好きなんだよなぁ?」
「そうかも、な」
 わかってんじゃんと空を仰ぎながらカラカラ笑うパーツの顔を俺は羨ましく眺めていた。俺も、こんな風に笑っているだろうか?
 普段クリス様にもう少し肩の力を抜いたほうがいいなんて言っておきながら…これじゃあな。ボルスいわく、時々眉間に皴を寄せてものすっごい顔をしているとか。
 顎に手を置いて考え込む癖は普段それを悟られないようにするためだ。また考え込んで、と言われるより、何考えているかわからないって言われるほうがまだましだろう。周りに気を遣わせるくらいならば。いつも余裕ぶってるだの人をおちょくってるのかとか…周囲にはひどい評判だけれど俺はそれでいいんだ。
 平民出の成り上がり。
 劣等感なんて感じることはない。レッテルというのは時に強い武器にもなる。家名が邪魔をすることもない。昔はいろいろ周囲から要らぬ噂も立てられたものだが、この地位まで来てしまえばさすがにあれこれ言うものもいない。なにしろボルスのような血の気ばかり多くてまっすぐな人間が多いのだ。
 まあ、グラスランドのものたちがいう“鉄頭”、なんて的を得た呼び方か。
 十分グラスランドのものたちも血の気が多くて頭が固いと思うがね。戦士というものはどこでもそういうものなのだろう。


 バーツの畑を後にして次に向かうのは執務室。ここからは仕事の始まりだ。6騎士の朝のミーティングがある。
 今朝は少し早めだった。少し散歩でもしていこうか。
 さっきのバーツに言われた一言が未だ頭の中を占領していた。少し頭を冷やしてから会議に向かったほうがよさそうだ。
 湖畔にひとり腰を下ろし物思いにふけってみる。
 考え事をするにはこういう開けた静かな場所に限る。
 不意に眉間に手を当てている自分に気づく。
 俺ってそんなにいつも難しい顔してるか?
 内に秘めた感情は極力表に出さないように気を遣っているつもりだ。そのせいで散々悪評を周りからいただいてるわけだが…わかる奴にはばれるんだな。
 あの人も気づいておられるのだらうか?
「パーシヴァル?」
 突然かけられた声に咄嗟に声が出なくなる。俺はきっとひどい顔をしているだろう。一瞬の間のあと声の主は堰を切らしたかのように笑い出した。
「クリス様…」
「考え事か?」
「えぇ、そんなところです」
 出来る限りの平然を装って軽く肩をすくめてみせる。
 驚いた。今考えていた張本人が現れるとは…。
「隣いいか?」
「どうぞ」
「お前、最近疲れてるんじゃないか?」
「そう見えますか?」
「あぁ。なんというか…」
 言葉を捜して考え込むクリス様の顔を見つめながら、やっぱりかとため息を吐く。
「私に隠そうなんて無駄だよ」
 ため息の意味まで見破られた。
「先ほど、畑のバーツにも言われました。お前は考えすぎなんだって」
「まったくだ」
 わかってんならどうしてまたそう考え込むのだ?とでも言いたそうにクリス様はむっとした顔をした。
 …貴方にだって言えないことがある。
 きっと悩みがあるといえば貴方は自分で良いならいくらでも聞くとおっしゃるだろう?
「何か悩みがあるなら…」
 想像通りの言葉を俺は聞き終える前に制した。
「貴方にだって言えないことはあります。貴方だってそうでしょう?」
 クリス様は少し悲しそうな眼でこちらを見つめていた。ちょっと罪悪感に駆られたがこれだけは言えない。
 今俺の中で占めている悩み…それはすべて貴方を中心に回っているのだから。俺はクリス様を困らせるつもりなど毛頭ない。これは口にしてはいけないことだ。
「そろそろ、時間ですよ」
 しばらくの間、互いに無言のまま湖を見つめていたが、クリス様の顔も見れずにそう告げると我先に立ち上がった。


 一日の終わり。また俺は湖畔に来ていた。
 今朝はいまいち想いを巡らせられなかったから。改めて落ち着いて考えようと…。
 あの人はホント無防備すぎる。今朝のあんな眼で見つめられたらボルスじゃなくったってどうかしてしまう。あの時点で俺の思考はストップしていたに違いない。俺がどれだけ貴方のことを想っていて、どれだけ、貴方に負い目を感じているか…。クリス様、貴方は何も知らないでしょう?
 皆が皆、あの人を“団長”というレッテルだけで見ていると思ったら大間違いだ。
 もちろん俺だって騎士として、ゼクセン騎士団団長クリス・ライトフェローに忠誠を掲げている。だが、騎士ではない素の部分の俺は…あの人をひとりの女性としてしか見られない。今も昔も変わらぬ、彼女は俺にとって一番愛しい女。
 今クリス様は大きなものをいくつも抱えすぎている。女性ながらに騎士団の団長になられ、そしてついこの間宿した真の紋章という大きな力…。彼女は恋愛やそういったことにてんで疎い。不器用な彼女のことだ。ならばこのままそんな煩わしいものなど覚えることなく自らの使命を全うしたほうが良いのではないだろうか。
 叶わぬものであろうと俺は彼女に想いを伝えてはいけない気がする。
 そして、このまま密かに想い続けるのでさえ生半可な覚悟では駄目ではなかろうか?
 今、こう悩んでいるうちに、この想いは断ち切ってしまわなければもう後には戻れない。そういう気がするのだ。
 あぁ、俺もボルスのような単細胞だったらきっと楽だったのだろうな。あいつのはなんだかんだ言っても結局は今や唯の崇拝でしかない。奴にとってはクリス様は女神様。手を出しちゃいけない象徴。
 俺は…。そんふうには思えない。肩書きやレッテルがどうあれ、俺の目に映る普段の彼女は騎士、ではなく守ってあげたいひとりの女性なのだから。


「ったく、お前は…」
 いつの間にか今朝と同様クリス様がそばに立っていた。
 かけられた声にびっくりする。普段なら人が近づいてきたのに気づかないはずないのだが、さすが、というか。
「気を緩めすぎだ」
 見透かしたように投げられる言葉。
 今朝といいなんでこの人は…。
 どうしてこんなに俺の中に入ってこようとする。そのたびに俺がどんな気持ちになっているのかおわかりか?
 俺は今までの憂いな気分のまま愛おしい人を見つめていた。普段あまり人には見せない表情で普段彼女には絶対に向けてはいけない眼で。
 縋ろうとかそういう気持ちはこれっぽっちもなかったし、口説こうとかそういう気持ちだってこれっぽっちも無かった。ただ彼女を見つめていたかった。
 が、次の瞬間、クリス様は思いもよらぬ行動に出た。
 俺の傍らに膝をつくと、俺の頭に彼女の腕は回されて、優しく抱きしめられた。
 一瞬何が起こったのか理解不能になったものの、それはとても優しくて暖かくて…いつもなら後ろめたさが先に立つだろうに何故か安堵した。
「お前がそんな顔をしていると私が困る」
 頭上から降ってくる言葉にはいつもの硬さが無く、とても柔らかな響き。気づかぬうちに涙が頬を伝っていた。
 もう戻れなくてもいいんじゃないか?
「クリス様、私は貴方を愛してます…」
 なんとも男らしくない告白だなと胸のうちで苦笑しつつ、まぁ、今更飾り立てても仕方ないかと腹を括る。








*******

長いのに最後までありがとうございました!
中途半端な長さなので一気に載せてしまいました。
これがうちの基本パーシヴァルです。
結構女々しい感じです。悩ましげなのが似合います。
ただ単にあたしが悩ましげな美青年が好きなだけなのです。

これ続きがあります。

SSとしては丁度良い長さのものなのですが
SS目指した結果駆け足になったのでまだひたすら推敲中。
いずれひょっこりUPします。


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