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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
我が家は恐ろしく寒い
ということは実は寒さに強いのかもしれません

モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

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幻想水滸伝2・ナナミ お題 【 片想い 】

お題消化です。

ナナミちゃんの片思いのお話です。
可愛らしく悩んじゃうナナミちゃん。
らしくないよと悩んじゃう。
 













【 片想い 】















 ひとつ、ふたつ、みっつ――。
 ナナミは指を折って溜息を吐いた。似合わない頬杖を突いて節目がちにしていると日頃周りに見せる顔付きとは全然違って大人びて見える。
 そんなことに全く気付いていない本人の目下の悩みが指折り三つ分に集約される。
 ニナちゃんは、うん。同い年って感じかも。
 でも、ひとつ違うだけで他の友達はとっても大人っぽく映る。何が違うんだろう?どうしてあたしはこんなに子供っぽいんだろう?
 おしゃべりだって興味だっていつだって同じ土俵に居るのに、少し歳が違うだけで醸し出す雰囲気だけは随分違う。
 はぁーっとナナミはらしくない溜息を再び吐いた。
 うわの空、である。
 雑用の合間に皆でおやつを囲んでいた。テーブルにごっそり並べられた菓子を平らげていくのはもっぱらナナミ以外だった。
 本人がうわの空なことを良いことにアイリがそれ程抑え目でもない音量で隣に座るニナに零した。
「なあ、ナナミのやつ変なものでも食べたわけじゃない、よな……?」
「恋でもしたんじゃないの?」
 “恋でも”なんて如何にもニナらしい返答だとその場に居たナナミ以外の全員が思った。
「でもさ」
 そう切り出したテンガアールがまず意味ありげにアイリを一瞥した。
「そうだとしたらアイリはチャンスだね。小姑がよそ見している内にさぁ」
 と、アイリが顔を真赤にする。実に解かりやすい。解かり易い反応をするものだから一気に全員の興味の的になる。ナナミが大人しい件はニナの一言で当たり前のように片付いたものの、らしく無さ過ぎる様子に下手に突く事も出来そうにない。それならばアイリの恋路の方が圧倒的に面白い話題だった。
 普段男勝りなアイリが顔を赤くしてもじもじする様は見ていて飽きない。お節介半分、からかい半分、では作戦会議をしようと誰とも無く言い出し勢いが増す。
 かしましいことこの上ない、賑やかな部屋をいつのまにかナナミはひとり抜け出していた。
 あの子たちには言えないなぁ、とナナミは思う。ニナやアイリを見ていると思ってしまう。何かが違う。恋、なのかもしれないけれど、あの子たちのとは何かが違った。
 なんだろう、この気持ちは?
 きっと自分のような性格は、ニナみたいに猪突猛進な遣り方をするんだろうとどこかで思っていたのに。そんな風に自分自身を押し切れない何かがあって、自分のことなのにまるで自分らしくない今の自分が物凄く気持ちが悪い。
 これが初恋ってわけではない。今まではやっぱり猪突猛進だったから失敗しかしてない。だから慎重になってる、大事な恋だから慎重になっている、わけではなかった。
 踏み出せないのはただ単に、どういうわけか自分らしくない自分への気持ち悪さからだった。
 嫌だなあ、嫌だな。そう思うと足は自然に人の少ない方へ進む。普段から人気の無い階段に蹲り、膝に顔を押し付けて、落ち込んでまーすと言わんばかりの雰囲気がナナミを覆っている。
 遠くの方で大好きな声が聞こえた。
 いつもなら直ぐに立ち上がって駆け出すだろうに、ナナミはそうしなかった。
 ああ、この声が好きだ。
 あの大きな手も好きだ。
 お日さまみたいなあの笑顔も好きだ。
 ああ、こんなに大好きなのに――!
 自分しか居ない空間では彼を想うとこんなにも暖かい気持ちになれるのに、自分以外の誰かが居ると苦しくて仕方なくなる。どうしてだろう?
 そう、この手が――。
 ぽんと頭に置かれた手に、心の中で呟く。“この”手が好き。
 この手?この手って?!なんで?今ここに?!
 動揺を隠せないなら俯いたまま居れば良い。そう思ってナナミは突然高鳴った心臓の音に戸惑いながらも膝に顔を押し付けた。
 今、顔なんて上げられない!
 それこそ自分らしくない。というのは冷静ならば気付けるかもしれないけれど、今のナナミは気付く余地もない。顔を上げない“らしくない”ナナミに相手が心配するなどとは思いも付かない。
「ナナミ?」
 気遣わしそうに呼ばれた自分の名前に、ナナミは反射的に顔を上げた。
 真赤な顔。リンゴのように真赤な顔。茹蛸のような真赤な顔。
 熱でもあるんじゃないかと添えられた大きな手はびっくりして直ぐに離される。
 熱いなんてもんじゃなかった。
 それから数日、ナナミは知恵熱で寝込んだ。



 熱で浮かれてすっかり据わった目、潤んでいる。
 苛立っているんだか落ち込んでいるんだか良くわからないけれど、明らかに良い気分ではなさそうだった。
 熱はぐんぐん上がっていって、滅多に熱を出さない健康体なナナミには重労働だった。ぐるぐる回る目と火が着いたように火照る身体をやり過ごすこと以外、考えることも感じることも出来ないくらい。こんな高熱を出すことは記憶にある限り無い。目を瞑ったらもう目が覚めないかもしれない。たかが知恵熱如きでありえないとは解かっていても何となく怖くなってナナミは必死に目を開け続けた。
 その結果、見舞いに来た人間を片っ端から怖がらせた。
 熱が少し下がってくると嫌に冷静に頭が働き出す。
 しまったなあ。
 ナナミは顔を隠すように布団を引き上げた。
 その後、心配性なかの人は暇だろうと時間があれば太陽みたいな笑顔を湛えて顔を出しては面白い話をいっぱいしてくれる。
 だからナナミの顔は熱が下がってもちっとも醒めず、真赤な真赤なリンゴのままだった。














☆☆☆☆☆☆☆

読んでくださってありがとうございます!

ナナミちゃんの片思い。相手はご想像にお任せいたします。
実はナナミちゃん大好きです。何かをきっかけに一時、激萌えしてましたw
強く見えて、とても繊細なところがツボなのです。きゅんきゅんします。
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