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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
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モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

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幻想水滸伝3パーシヴァル夢 【 わがまま 】

服作りが上手な女の子のお話。


――人と付き合う上で一番大事なのは距離感だと思うのだ
  相手がちゃんと見える距離、そこにちゃんと居れば相手の気遣うべきところが自然に見つかる気がする













【 わがまま 】














 その人が村に居た頃のあたしはまだ小さかったから、もはや知らない男の人同然だった。昔良く遊んでもらった近所の優しいお兄ちゃんだということにあたしはさっぱり気づきもしなかったし、あちらも昔良く遊んでやっていた女の子だなんて全く気づいていなかった。
 その頃の記憶なんてまるで曖昧で面影すら思い出せない彼は、ご近所さんではなく、あくまで偉い騎士様だった人である。女の子たちの憧れの的である雲の上のような存在だった人なわけで。
 と言ったところで、あたしはそういう話題に疎いから名前と顔も一致してなかったというのが現状だった。彼がこの村の出身だということは知っていたけれど、そこまで興味もないからどの辺に住んでた誰かなんて知らなかった。
 彼が近所のお兄ちゃんだったことも偉い騎士様だったことも何も知らずに初めましてとあたしは言った。
 大きな戦争が終わって数ヵ月後のことだ。彼が騎士団を辞して復興を手伝うために村へ帰ってきた数日後、あたしは風車の下で彼に出会った。本当なら刈り終わってゆっくりお休み中のはずの一面の畑を見つめていたその姿に自然と目が行った。村では見かけない垢抜けた風貌に旅人と勘違いしたあたしはほんの興味から彼に話しかけた。それが出会いだった。
 あたしはその数日間、家に篭りきりだった。裁縫や服のデザインが得意で、周りの女の子たちに頼まれては彼女たちの洋服を作っている。デートに行くワンピースだとか、はたまたお洒落な作業着だったり。クリスマス間際でそれはもう立て込んでいたのだ。村の自慢のパーシィちゃんが帰って来たと随分世間様は騒いでいたようだけれど、そんなことなど目もくれず黙々と作業していたあたしはそのパーシィちゃんの顔すら知らなかった。親や兄弟にはあんたも年頃なのに……なんて呆れられながら他人のドレスをせっせと縫っていたわけだ。
 色恋に、興味がないわけではない。ただ、良いなと思える人が周りに居なかっただけだ。
 着飾るというのは魅せたい相手が居ることが前提であって、その必要がなければ華やかな洋服なんて別に必要ない。高じて服作りが得意になってしまったくらいおしゃれは大好物だけれど普段身に付けるものならシンプルが一番だ。あくまで機能性重視。ふんわりとしたスカートやフリルの付いたシャツなんて自分では一枚も持ってない。彼に会ってからそのことに少しだけ後悔した。そのさりげなさが好きだと彼は言ってくれたけれど、年頃の女の子たちが着飾りたく思う気持ちも好きな人が出来ればあたしにだってちゃんとある。
 


 パーシヴァルさんが村に帰ってきてから、もうすぐ一年が経つ。村はすっかり元通りになった。
 今年の豊穣祭は例年に増して気合が入っている。
 お祭りの当日は大抵繰り出すのは夕方過ぎからだった。連日の準備の手伝いと内職の徹夜でぐったりだから。それは今年も変わらずどころか殊更だった。なのに最後に自分用のワンピースまで作ってしまった。外の賑わいなど気にならないくらいにぐっすりと眠って――今年はきっといつもよりはしゃいでしまうだろう。既に気持ちがはしゃいでいるもの。
 昼も随分過ぎた頃に起き出していつもより念入りにおしゃれした。きちんと化粧をするなんて滅多にない。滅多にないから少々てこずった。
 少し薄暗くなり始めた頃に家を出た。
 友人たちと出くわしては茶化されながら、でも悪い気はしない。好きな人が居るというのはそれだけで楽しい。探し人がなかなか見つからなくてもそれはそれで楽しい。服作りの一番の常連さんに奢ってもらったお酒を片手に人探しもそこそこに祭りの風景を眺めて楽しんでいた。
 そんなことをしていると突然こつんと頭を小突かれた。
 一番上の兄だ。すっかり出来上がった顔をしている。
「おまえなぁ、少しは色気が出て来たは良いけど……あんま待たすと逃げられるぜ~?」
 そうして人の悪い笑いを浮かべた。
「どっかでえらいべっぴんさんと仲良くしてたからなぁ」
 そのべっぴんさんというのが誰なのかはなんとなくわかっている。きっと騎士団長のクリス様だ。騎士団の仲間たちを祭りに呼んだと彼が言っていた。
「お~きなおせわ!」
 わかっているけれどわざとむきになって返す。それが我が家の末っ子の役目だ。
「ま、どっかで見つけたら教えとくよ。お前、そこから動くなよ」
 今年は確かに例年より人出が多い。確かに下手に動くと出会えない可能性もある。
 それだけ言うともうからかうのは満足したのか兄は行ってしまった。
さてあたしは、その後その場から動けなくなり壁の花となってしまったのが仇になった。やっぱり着飾っても碌な事がない。
 お祭りといえば、恋する女の子たちにとって絶好の攻略ポイントだ。そして、その攻略相手から外れてしまった男の子たちはナンパに走るわけで――あぁ、さっき兄はそこまで見越して動くなと言ったに違いない。完全にあたしで遊ぶ気満々だ。兄の思惑通り、ナンパの標的になってしまった。女友達はみんな自分のことに夢中で助けてくれる人も居ない。面倒くさいことこの上ない。というかよりによって何であたしなんかをナンパしようと思うのか甚だ疑問だ。
 たまたま通りかかった幼馴染が見かねて助けてくれた。
「そりゃ、仕方ないよ。最大級の敵が今居ないとなっちゃさぁ」
 あたしの疑問にそう答えた彼もたぶんその次くらいには強敵である。彼を追いかけている女の子に恨まれそうだ。
「……ってか。バーツ、あたしを出汁にしようとしてるでしょ」
「……いいじゃん。ギブアンドテイクってやつ?」
「まあ良いけど」
「それに~、お前と居れば誰も文句言わないだろ。敵に回しちゃ勝てる戦も勝てなくなるからなぁ」
「……確かに、ね。でもぉ、あんた目当ての娘たちはかわいそう。たまには相手してやんなよ」
「やだよ。興味ない」
「あ~あ、はいはい。一生トマトと愛を語らっててください」
「なんだよ。つれないなぁ。どーする?この間に本気でお前のこと口説いたら」
「雪が降って雷が落ちる」
「……お前、パーシィ逃したら一生恋人出来ないわ」
「どういう意味よ」
 聞き返すとバーツは何かぼやいたけれど周りの喧騒に掻き消されて何を言ったのかわからなかった。
 そんな風にぐだぐだとおしゃべりをしているうちに時間が過ぎていく。日も短くなり始めた時期で落ちかけていた太陽はあっという間に隠れてしまった。祭りは一層の盛り上がりを見せる。
 広場の中央に高く詰まれた薪が轟々と燃えて鮮やかに賑やかな村を照らし出す。この明かりが祭り独特の高揚感を煽るのだ。
「あっれぇ、クリスさんだ~!」
 隣でバーツが挙げた大声に銀髪の綺麗な女の人が振り向いた。あの人がクリス様――。銀の乙女という二つ名がぴったりな容姿をした女性だ。その隣に金髪の男の人が居る。たぶん烈火の騎士のボルス様だ。
 二人は後方に声をかけてから人込みを掻き分けてこちらに向かって来る。何とも人目を惹く容姿を持ったお二人だ。
「バーツは、あ、そっか。お知り合いなんだ」
「うん。良くトマト食いに来てくれてたんだ」
 納得した。彼が女性関係でこんな嬉しそうな顔をすることなど滅多に見たことがない。やけに嬉しそうなのはそういうことだ。結局トマトに起因するわけだ。
 それにしても、偉い人を前にいつものままのフランクさでしゃべるバーツはある意味大物かもしれない。
 恋人かと聞かれて思わず二人揃って全否定すると可笑しそうにクリス様が噴出した。隣で一緒に噴出しかけたボルス様は噴出す前に頭を抑えて顔を顰めた。パーシヴァルさんが後ろから思いっきり叩いたのだ。
「何で俺だけ……」
 そう食って掛かるがしれっとやり過ごされる。それだけで二人の関係性がわかる。親友だと言っていた。
「見つけてやったのに」
「偶然だろ」
 仲良さげな遣り取りを見てクスクス笑っているとパーシヴァルさんに怒られた。
「……ずっと探してたんだけれど?」
「ごめんなさい」
「どーせ寝てたんだろ。毎年こうなんだよ」
 呆れ果てたようにバーツが言った。
「先に言っておいてくれれば迎えに行ったのに」
「……あー、忘れてました。それどころじゃなくて」
 それから改めてクリス様とボルス様に紹介してくれたが今更ながら緊張してきてしまう。
 クリス様は凄く大人っぽいのにあたしと同い年だそうだ。
「ね?良い娘でしょ。きっと仲良くなれますよ」
 パーシヴァルさんがそう言うと慌てた様にクリス様が大きな声を挙げた。思わず首を傾げる。
「この方、女友達少ないから。友達になってあげてよ」
「……それは構わないですけれど?」
 あたしなんかがいきなり友達ってそんな大それたこと……っていうくらいに相手は偉い方なのだけれど?
「良いんですか?」
 と思わずクリス様に問い返すと恥ずかしそうにありがとうと言われた。
「えーと、じゃあ、お友達になったことだしお友達権限行使してクリス様じゃなくてクリスさんって呼んでも良いですか?」
「クリスで良いのに」
「物事には順序がありますから。差し引いたらまだ“さん”止まりです」
「なんだよ、その理屈」
 そう突っ込んでからバーツは友達なんだろ?と首を傾げた。バーツ筆頭にクスクス笑っているパーシヴァルさん以外は全員首を傾げているけれどこれは絶対に理にかなっているはず。
「だってまだ良く知り合ってないもの。急に縮めたら互いに思い違いがあった時がっかりしちゃうじゃない。だんだん知り合っていくほうが良いの。それにその方が絶対楽しいの」
 敬称なんて唯の形式に過ぎない代わりに、錯覚するのには便利である。でもあくまで錯覚なのだ。相手を理解していると自惚れれば身勝手な主観を押し付けたり互いに傷つけ合ってしまう。そんなのは悲しい。
 だからあたしは人と付き合う上で一番大事なのは距離感だと思うのだ。
 相手がちゃんと見える距離、そこにちゃんと居れば相手の気遣うべきところが自然に見つかる気がする。それは知り合えばだんだん短くなって行くもので何も理解できていないうちから無駄に縮めるべきではないと思う。
 そもそも、何も知らない相手にお友達になりましょうっていうのが可笑しいわけで。普通は気が合ったからお友達になるわけで。
 こういうお友達のなりかたは、恋愛に少し似ている気がした。付き合ってみたら思ってた人と違ったとかなんて良くあることだけれど、それって勝手な言い分だと思う。友達にしても恋人にしても、長く仲良く出来たに越したことはない。だったら、きちんと相手のことを見て理解して尊重し合える間柄でありたい。
 呼び方なんてきっと気が付いたらいつのまにか変わっているんだ。後で気付いてちょびっと幸せに浸りたい。あぁ、こんなに仲良くなってたんだなぁ、こんなに大切におもってたんだなぁって。
 クリスさんがぽかんとしている最中、バーツとボルス様が何かぼやいた。
「……なんか俺、お前が今まで男作れなかった理由わかった気がするわ」
「……なんか俺、こいつがこの娘気に入っちゃった理由がわかった気がするわ」
 あたしとパーシヴァルさんが余計なお世話だ!と力を込めて言ったのは同時だった。
 少し時間が経つと、あたしとクリスさんはあっという間に打ち解けた。何だかとっても気が合ってしまった。パーシヴァルさんに言われるまでもなくお友達になれていたのだろう。クリスさんは砕けてしまえば割りと歯にもの着せぬ性格でその飾り気のない言動がとても好感を持てた。その性質は普段、割と邪魔になることが多いようでストレスが溜まりがちなんだと言っていた。



 豊穣際が終わってからというもの、パーシヴァルさんは欠かさず行う剣の鍛錬が前よりも気合が入っているように見えた。その姿はとても逞しくて頼もしい。
 彼はとても器用で、村の暮らしとは掛け離れた生活が長かったのに何でも上手くこなしてしまう。村の皆はたくさん彼に助けられた。あっという間に村が元気に戻ったのは彼の影響が大きい。この一年は、彼がこの村には必要だった。でも、もうそろそろ良いと思うんだ。ここよりも必要とされている場所が彼にはある。必要としている人たちが居る。
 あたしは彼が剣の握っている姿が一番好きだ。一番生き生きとして見える。
「パーシヴァルさんは、そのうち騎士団に戻っちゃうんですね」
 何気ない拍子にぽつりとそう言うと彼は随分怪訝そうな顔をした。別に困らしたかったわけじゃくただ言ってみただけなのに随分困らしてしまったようだった。
「……俺が居なくなったら淋しい?」
 暫くたってからそう聞かれて素直に頷くと、それは良かったと言って笑った。
「そのうち、必要な時が来れば、ね。いつでも飛んでいくつもりだけれど。もしそんな時が来ても君は待っててくれる?」
「ちゃんと帰ってきてくれるなら待ってるのも楽しいものですよ、きっと」
「そこはさ、嘘でも良いから行かないでっていうとこでしょ」
「言うわけないじゃない」
「……だよなぁ」
 苦笑いとは裏腹に彼は少しだけ淋しそうだった。彼は最近いつも少しだけ淋しそうだ。あたしも彼がブラス城へ戻ってしまったら淋しくなるのかな?でも――。
「たぶん何も変わんないんだろうなぁ。今まで通り。パーシヴァルさんが村に戻ってくるまでと何も変わんないの」
「元通りってこと?流石に傷付くよ、俺」
「元通りも何も、前も今も何も変わってないもの。これからも変わらないですよ。傍に居るか遠くに居るかってだけ」
「そういうところ、君はとことん逞しいよね。それで久々に会ってもおめかしのひとつもしないで『あれ?今日だったっけ?』とか言いそうだよ」
「だからモテないの。安心して戻ったら良いですよ」
 ありったけの笑顔でそう返すと、パーシヴァルさんは面食らっていた。
 もうすぐ、じゃなくて、そのうち、なんて誤魔化さなくて良いのに。別にあたしは困らないよ。
 貴方の中からあたしが消えちゃったら悲しいけれど、そうじゃないなら傍に居なくてもあたしは大丈夫。
「度々、ブラス城に遊びに行くと思うけれど」
「どうせ俺じゃなくて、クリス様と遊びに、だろ」














☆☆☆☆☆☆☆

読んでくださってありがとうございます!

自分の価値観を押し付け過ぎな感があり申し訳なく思いますがこんな作品が生まれてしまいました。
なんかうちには変わり者なヒロインばかりな気が・・・・・・
変わり者が書いてるからしかたないのかしらw
あとは、職人が多いですねw
そこは幻水柄仕方ないとこだということで。。。
服職人は4に出てきますね~。
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