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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
我が家は恐ろしく寒い
ということは実は寒さに強いのかもしれません

モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

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ジルオール・レムオン×ミイス主 【 雛鳥と大空と鳥かご (3) 】

ティアナとの関係は義兄には秘密なのです

——それは嫉妬。恋だよ、アリス


【 雛鳥と大空と鳥かご (1) 】
【 雛鳥と大空と鳥かご (2) 】







【 雛鳥と大空と鳥かご (3) 】




















 突然ノーブル伯となってから三ヵ月後、アリスは二度目のリューガ邸来訪を遂げた。正確には帰宅が正しく来訪ではないのだが、未だ馴れ親しんだ我が家というわけではないので気分的には来訪のほうが合っていた。
 割かし日の高い早い時間にロストールに到着し彼女はそのまま仲間と別れるとリューガ邸へ向かった。着くと直ぐに兄に出かける準備を急かされる。メイドに為されるがままに上品なドレスを着せられ無頓着な髪も綺麗に梳かれ髪飾りで飾られる。メイドたちが心なしか楽しそうなのはアリスの勘違いではないだろう。そうして準備が出来ると既に待っていた馬車に 乗せられ王城へと連行された。
 正直、アリスはひやひやしていた。所謂貴族の礼儀作法というものはまだきちんと身に着いている筈もなく、高貴な身分の人々と顔を合わせなければならないかと思うと少々胃が痛い。幼い頃から神官見習いとして勉学・武術と共に躾も厳しく両親に施されてきた彼女は、街中に居れば人より随分振る舞いが淑やかで礼儀正しく映る。が、貴族のそれというのは神官ともまた違った形式的な作法が多い。細かな決まりごとや慣わしが多く、覚えたところで身に沁みるまでは大分時間が掛かりそうだった。
 馬車の中では大して会話も交わさず、一言レムオンが言ったことは必要以外にしゃべるな動くな、それだけだった。
 彼女が彼に連れられてやってきたのはティアナ王女の部屋だった。
実は王女とアリスはとあることから旧知の仲である。ほっと胸を撫で下ろすがよくよく考えて彼女はぎくりとする。背中に冷や汗が走る。
 二人が友人だということは秘密のことなのだ。絶対に秘密である。このことがレムオンにばれれば芋ずる式にその経緯も語らなければならないし、そうなると確実に大目玉を食らうに違いなかった。アリスはティアナと知り合う経緯の中で恐らくリューガ家と同等、もしくはそれ以上に権威のある家柄と思われる男に出会っていたからだ。その男はまるで貴族とは思えぬ容貌でロストールのスラムを好む冒険者だった。昼真っから酒を煽り、振る舞いも言動も全く貴族然としたそれではない。アリスがティアナと出会うことが出来たのはその男が所有していた“銀竜の首飾り”のお陰であった。その首飾りはティアナの部屋へ繋がる隠し通路の扉の鍵であった。城の隠し通路の鍵を所有する男が唯の冒険者なわけが無いし、もちろん、唯の貴族のわけもない。
 ティアナには申し訳ないが兄の言いつけを誠実に守ったほうが懸命だ。じゃないと自分は直ぐにボロを出してしまう気がした。
 レムオンからの紹介を受け形式通りの挨拶を済ますとアリスはその場でじっと時間が過ぎるのを待った。生憎、聡いティアナも余所余所しく挨拶を告げたアリスの心情を悟ってくれたようだった。
レムオンとティアナは随分仲が良い様に見えた。しゃべることもできなければすることも無いので王女との会見中、アリスは二人を観察することしかすることがない。和やかに会話に混じっている振りをして適当に相槌を打ちつつ、そっと二人の様子を伺い続けた。
 レムオン兄様はティアナの前では別人のように流暢に話すし表情も自分に見せるそれとはまるで違う。
ちくりと胸が痛んだ。
ティアナ自ずから振舞われたお茶はさり気無くアリスの好むものであったが、その味も香りもまるで楽しむことは出来なかった。ひと口目は味などしなかった。二口目はとうに冷めていて不味い渋みだけが口中に広がった。
 帰りの馬車の中でティアナは幼馴染だとレムオンが告げたがアリスにはそれが言い訳がましく聞こえた。それくらいにティアナと会っている時の彼は楽しそうだったのだ。彼自身も自覚があるから、そんな言い訳をするのだろうとアリスは思った。そうして、わざわざ妹に幼馴染だと言い訳しなくてはならない程度の関係であるということにどこかほっとした。 
邸に戻ると、レムオンはご機嫌なのか不機嫌なのかよくわからないがやたらとアリスのことを構った。ティアナに会いに行くまでと帰ってきてからの彼の態度の違いにアリスは動揺した。
自分をティアナに合わせたのは貴族特有の見得だろうか?どうして彼はあんな言い訳をしてまで自分を彼女の元に連れて行ったのだろう?
アリスには尋ねる勇気がなかった。何よりも、レムオンが自分に割いてくれている時間を無駄にもしたくなかった。
そんな彼女がレルラにレムオンのことを話した際に「それは嫉妬。恋だよ、アリス」と言われるのは時間の問題だったが、彼女はまだまだ気づかない。この初めての感情の正体を具体的に彼女自身が認識するまでにはそれから少しの時間が必要だった。






ディンガル帝国の首都・エンシャントのすぐ傍に賢者の森と呼ばれる場所がある。その森の奥に賢者オルファウスがひっそりと居を構えていた。世間には猫屋敷という名で知られ、運命に選ばれし者しか辿り着けないと言われている。無限のソウルの持ち主であるアリスは難なくそこに辿り着くことが出来た。冒険に出てすぐのことだ。猫屋敷にはオルファウスと共にしゃべる猫・ネモ――と言ってもオルファウスによって猫に封印されてしまった間抜けな魔人が彼の本来の姿である、が住んでいる。両者共に魔人や闇の神器に詳しくアリスとセラにとって頼もしい協力者となった。
アリスたちは報告と情報収集のために定期的にこの猫屋敷へ訪れることになっている。
アーギルシャイアを追うひとつの手掛かりとしてアリスとセラは闇の神器のひとつ、禁断の聖杯を追っていた。もともとこれはネモの所有するものらしい。件の禁断の聖杯は今、ゴブゴブ団と名乗る三匹のゴブリンの手の内にある。ゴブゴブ団は 聖杯から得た知恵によりゴブリンながら人語を操る。その目撃情報は各地で多数あり、アリスたちも直接出くわしているが、聖杯の奪還は未だならない。
その一抹を聞いていたネモがけっと唾を吐いた。
「あのね?彼らは知恵を付けても悪さは今のところしていないの」
「だからなんだってんだ。余計な知恵はそのうち身を滅ぼすだけだ」
「そうかしら?それは元々知恵のある種族のお話だと思うわ。元々あるから余計なのよ」
「へぇ、お前、随分奴らの肩持つな」
「そんな険のある言い方しないで、ネモ。そもそも聖杯が貴方の手に戻ってこなかったことには貴方自身の遣り方に問題があったんじゃない。騙すだなんて悪どい遣り方をしたのでしょ?こいつは悪だ、渡してはいけない!って思われても仕方のないことだわ」
「お前さん、一体どっちの見方なんだ。取り返す気あんのかよ」
「……あるわ。彼らがアーギルシャイアの犠牲になるのは可哀相だわ。でも力ずくなんて駄目よ。彼らは至極真っ当に聖杯から得た知恵を使っているだけだもの。どちらにしても、彼らが道を踏み外さないように気を掛ける必要があるわ。彼らは本当に純粋で真っ直ぐだもの。それに、急がないのでしょ?」
言い合うアリスとネモを看かねてオルファウスが口を挟んだ。
「どちらにしても、ネモ。貴方は自身で動けないのだからアリスに任せるしか方法はないのです。彼女は彼女の遣り方があるのですから、大人しく待っていなさい」
 元は魔人といえど、今は唯の猫であるネモは飼い主に頭が上がらない。けっともう一度唾を吐くとふらっと部屋から出て行った。
憎まれ口とは裏腹に、ネモは裏表のない至って単純な大らかな性質であった。今日は天気が良い。ふらっと出た庭先で口論など忘れて暢気に昼寝でも決め込むことにした。
窓から見えるネモの様子に目を細めながら、オルファウスはアリスにゴブリンの話の続きを促した。禁断の聖杯に関してはネモが焦ってしまうのも仕方のないことだった。
「貴方がどういうお考えでいるのか、私も少し興味があります」
 アリスは先程までのネモとの遣り取りのため少し歯切れが悪かった。その様子にオルファウスはくすくす笑った。
「安心してください。私はネモみたく管を巻くつもりはありませんよ。純粋に、貴方の遣り方に興味があるだけです」
 それを聞いてアリスは安心した。オルファウスは何事にも大らかな姿勢を崩さないが、彼の言葉には絶対的な強みがあって、彼に否定されれば落ち込まずにいる自信がなかった。あの自尊心の高いセラですら、彼との邂逅で瞬間的にその自尊心をぽきっと折られている。あれからセラは変わったとアリスは思う。自分も含めた他人へ対する彼の立ち位置が。
「彼らには自尊心があります。その鼻先を力ずくなんて暴力だけで折りたくありません。彼らの行動は目に余るものなど全く無いし、とても質素で清らかです。禁断の聖杯のせいであたしたちは敵認識されてしまって出くわせば戦闘は間逃れない間からになってしまいましたが、彼らも好んで戦っているわけではないようなのです。聖杯を悪い人間から守るために止むを得なくといったところかしら。現に、人里で悪さすることもありませんし。面白おかしく人々が噂するくらいですから。彼らはね、聖杯から言語という知恵だけじゃなくて、善悪を見定めるという知恵も手に入れたようです。だからあたしは少し時間が掛かっても彼らの行く末を見てみたい。出会うたびに戦闘になってその度少しばかりの言葉しか交わせなくても、その過程で彼らがあたしを信用して聖杯を渡そうと思えるまで追いかけ続けようと思います」
 それからアリスは少し自信なさげな上目遣いで「……間違っているのでしょうか?」とオルファウスに問いかけた。
 いいえ、と短く応えてオルファウスは笑みを深めた。賢者オルファウスはアリスにとって師のような存在といえた。彼は唯の興味だと言ったが、彼女は試されているような気分になっていたので、彼の応えにほっと息を吐いた。
 目の前に座る無限のソウルの持ち主はとても頼もしく思えた。彼女は日々頼もしくなって行く。オルファウスには息子が一人いる。彼の息子も無限のソウルの持ち主であるが、彼女は息子とはまた違う頼もしさがあった。それはもしかしたら女性特有の性質なのかもしれない。が、彼女には男女や種族の性質を越えた何かがある気がする。全てを見通して包み込むように温かい。
アリスの広い視野は更に広がっているようだった。最初にここへ来た時から彼女はそうだった。ミイスの村から出たことがないとは思えないほどに、彼女は視野が広く柔軟だった。
続くアリスの近況報告に耳を傾けながらオルファウスは願った。
彼女の無限の可能性が周囲の者の希望のみならず彼女自身をも掬い上げてくれることを。















☆☆☆☆☆☆☆

読んでくださってありがとうございました!

ゲームではツンデレなレムオンさんですが、うちのレムオンは結構甘々です。
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