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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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Author:さやな
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幻想水滸伝3・パークリ 【 ハイヒールのご褒美は 】

パークリの日、第一弾。

パーシヴァルが騎士団に復帰後からティントとの紛争が起こるまでの合い間のお話です




































































【 ハイヒールのご褒美は 】









 その日、クリスはやたらとそわそわしていた。
 そうして考えては落ち込み落ち込んでは顔をあげ、しまいには悟ったような顔つきになった。
 


 ダンスを踊らねばならない。



 クリスにとってダンス、それから歌は壊滅的に苦手な文化である。いや、貴族の癖に貴族らしい教養という教養すべて苦手と言っても過言ではない。
 騎士である。剣士である。それだけが幼いころからクリスのステータスであったのだから仕方もないことかもしれないが。たいていの者は剣術、教養すべてに精通しているものでもある。
 だから唯単にクリスが不器用なだけでもある。
 足を何度も踏まれても決して痛さを顔に出さないパーシヴァルに申し訳が立たない。そう思いながらもやっぱり足を踏んでしまう。
 何故だろう? 剣術の型ならいくらでも可憐に舞う自信があるのに。どうして剣を置いただけでこうも違ってくるものか。
「クリス様、そろそろ休憩にしましょう」
 どうしてか申し訳なさそうにパーシヴァルが告げると、クリスは落胆の色を見せずにはいられなかった。
「すまん……」
 まるで消え入りそうな声でそうつぶやくとふと窓の外へ視線を逸らした。罰が悪い。
 彼と彼女はもうかれこれ3刻近くひたすらレッスンを続けていた。パーシヴァルはこういう類のものをスマートのこなしてしまう男であるが、慣れぬクリスは疲れも溜まっている。
 しかしだからと言って、今日ばかりはレッスンを切り上げることは出来ない。というのもダンスを踊らねばならないのが明日であるからであった。なんとか形にする必要があった。
 騎士団長なのに、どうしてドレスを着て踊らねばならぬのか。一体どこにそんな必要があるというのか。
 しかし評議会からのお達しなので無碍に出来ない。
 一曲、たった一曲踊ればいいだけなのに。どうしてそれすら出来ないのかと自問自答してしまう。
 パーシヴァルは疲れただろうと飲み物の確保のため部屋を空けている。クリスたった一人がこじんまりとした空室に残されていた。
 俯きそうになる。いや、既に俯いているのかもしれない。
 パーシヴァルにはそんな姿を見せたくなくて、クリスは深く呼吸をすると今度こそ顔を上げた。
 パーシヴァルは戻ってくると水の入ったタンブラーとグラスを二つ抱えてきた。そうしてにこりと笑った。
「な、なんだ? 」
 面を食らったクリスが戸惑いの声を上げた。
「随分すっきりとしたお顔つきになられていたので、つい」
 水を注がれたグラスを受け取りながらクリスは言った。
「お前には申し訳ないが、足を踏んでしまうことは許してくれ。その代わり転倒だけは絶対にしないから」
「確かに、足を踏まれることはあっても最近は転倒だけはしなくなりましたものね、良いでしょう」
 その言葉にクリスはほっと胸を撫で下ろした。
 足を踏まれたところですその長いドレスで足元がふっかり隠れてしまうため足を踏んだことは顔にさせ出さなければ当人たち以外の知るところではない。澄ましていればいい。
 バランスさえ崩さなければごり押せる! という結論に至ったわけだ。



「で? そろそろ御覚悟は出来ておりますよね? 」
 馬車の中でにっこりと笑ってパーシヴァルは言った。
「ああ。ああ……」
 そう漏らすクリスの横顔を見てパーシヴァルは盛大に笑ってしまった。
「いや、失敬」
 失敬と言いつつ笑い続けるパーシヴァルの姿にクリスはあきれ果てて、気がつけば緊張も程よく解けた。
 パーシヴァルという男は以外と笑い上戸であった。完全につぼにはまったらしい。
「おい、パーシヴァル。到着するまでにはその笑いを引っ込めろ」
 そうしてクリスは苦虫を潰した。せっかく綺麗に着飾っているのに、まったく不釣合いな表情である。
 クリスは元が良いので着飾ると華やかさや凛々しが際立ってそれはそれは美しかった。
 すいません、と笑いを収めたパーシヴァルが謝ると彼はそっと隣に座っているクリスの手に自分の手を重ねた。クリスの手は冷たかった。よほど緊張していたのであろう。
「クリス様、緊張の解き方お教えしましょう」
 そうしてパーシヴァルはいくつか迷信めいたことを言ってクリスを笑わせた。
 そうして笑ったクリスに見惚れた。
「クリス様、今日のダンスのお相手に私を選んでくださったこと、とても光栄に思ってますよ」
 そうして指を絡ませた。
 二人は恋人同士である。と言ってもこの事実を知っているのは6騎士とルイスだけである。口調も滅多に崩すことはしない。
「上手くいった暁にはちゃんとご褒美をご用意してますからね」
 とパーシヴァルが言うとぱっとクリスは菫色の瞳を輝かせた。こういうところはまるで子供っぽくあり現金な性格であった。
「極力足を踏まないように気を付けるわ」
 と言ったクリスの表情は緩やかにほぐれていった。
 会場に着き、パーシヴァルが先に馬車から降りるとそっとクリスの手を取った。
 着々と参加者がやって来る中、二人はとても目を引いた。理由は騎士団幹部と言うわけだけではない。二人の容姿そのものが華やかなのである。
 体幹が出来ているのでまずバランスを崩すことはないだろうが、慣れぬハイヒールでクリスは慎重に足を運ぶ。ハイヒールは慣れないと足を痛めるので練習ではもっぱら踵の低い靴を使っていた。
 靴選びも大変だった。長身のクリスは足も大きく選べる靴も限られている。何件もの靴屋を呼んでは決定打に掛け、やっと出会った一足のハイヒールでる。
 といっても今日が終われば荷物に埋もれてお目にかかる機会はほとんどないだろうが。
 それでも十分に思い入れのある靴である。パーシヴァルの見立てだからだ。
 今日のクリスは頭の先から足の先まで、すべてパーシヴァルの見立てであった。美しくないはずがない。
 クリスは普段から男装に近い格好が多い。ふわふわのスカートというものを少し前にパーシヴァルからプレゼントされたが未だ履きなれない。だからクリスにとって今日のドレスという格好は至って非日常的であった。なんだか下半身がすかすかする。そんな認識である。
 そしてきついコルセットは普段身に着ける重い重い鎧よりも重圧感がある。
「さて、参りましょう」
 そうしてパーシヴァルはクリスの耳元でご褒美を用意してあると再び囁いた。
 ご褒美はもちろん甘くとろける様なキスである。
 ホントはそれだけではないのだけれどそれは秘密であった。とっておきを用意てある。
 パーシヴァルのエスコートで会場に入るとぱっと会場は華やいだ。皆が二人を注目している。
 ゼクセンは今平和そのものであった。天敵でるグラスランドシックスクランとも友好条約を結んでいるため平和ボケしている。
 美味しい食事と飲み物と音楽演奏にダンス。久々に開かれた舞踏会なので皆気合が入っている。皆が甘美に酔いしれていた。
 悟ったクリスはそれは見事に評議会寄りの人間とも談笑を上手く交わしてゆく。
 そうして遂にダンスを踊らなければならなくなった。
 パーシヴァルらしくスマートにエスコートして輪の中に入ってゆく。
 クリスと言えばダンスが苦手であることは周知の事実だったが、輪の中へ入っていく顔つきは凛としていてそれでいて美しかった。
 皆がその姿に見惚れた。
 常に笑みを浮かべて手を取り合っている二人に周りは息を呑んだ。それほどに見事に踊って見せたのである。クリスがパーシヴァルの足を踏むことはなかった。
 一曲踊り終えたクリスの顔付はすっきりとしていた。やりきった感満載だった。
 そんなクリスの様子にパーシヴァルは微笑を浮かべた。
「ご褒美があるのだろう?」
 クリスはご機嫌にそう尋ねた。
「ええ、もちろん」
 ほっとしなっがらパーシヴァルは告げた。
 正直ここまで上手くいくとは思ってなかったからである。
 その後もクリスは終始ご機嫌な様子で寄ってくる貴族立ちの相手を上手具合にやり過ごした。上出来である。
 


 帰りの馬車の中でクリスは言った。
「ご褒美楽しみにしているからな」
 慣れない舞踏会でさぞ疲れているだろうとパーシヴァルは思っていたが、クリスのテンションは上がりっぱなしだった。
 来た時と同じように手を握り合う。テンションが高いと言ってもはやり多少疲れたのだろう。パーシヴァルの肩に頭を凭れた。
 それはとても幸せな時間だった。
 わざと遠回りして帰路へ着いた。
 そうして二人はこっそりと口付けを交わした。想像どおりそれは甘くとろけそうだった。
 ようやくクリスの屋敷へ着いたところで、パーシヴァルは少しだけクリスを引き止めた。
 屋敷へ泊まってゆっくり過ごしたいけれど今日ばかりは評議会連中にばれる可能性を考慮してお泊りしたいとこだが我慢した。
「クリス」
 馬車と言う密室の中で、ゆっくりと名を呼んだ。
「クリス、これを」
 そうして装飾された小ぶりな小箱を差し出した。
「これは? 」
 そう問われるとパーシヴァルは開けてからのお楽しみだと言った。
















☆☆☆☆☆☆☆

読んでくださってありがとうございました。
やっぱりパークリ大好きだ!!!!

   
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