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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
我が家は恐ろしく寒い
ということは実は寒さに強いのかもしれません

モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

まわりに創作仲間がいないのでお友達募集中です
人見知りですが来る者拒まず!
自分からなかなか入っていけない臆病者。。。


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【  深海 (2) 】

【 深海 (1) 】はこちらから

わかっているのに人に言われると腹が立つのは無謀な片想い。わがままな恋。




【 深海 (2) 】


「失礼します」
部屋に入るとうざったそうな表情を浮かべつつ必死に仕事をこなす陛下の姿がまず眼に入る。
それがあまりにも珍しい姿だったから。
眼を見開いているあたしに気づくとばつの悪そうに陛下は言った。
「ここ数日サボりすぎてな」
あたしは苦笑いを浮かべた。そして誰かさんのような嫌味を言ってみせる。
「いつもそれくらい真剣なら…堂々と抜け出す時間が増やせると思いますよ?」
勘弁してくれとばかりに陛下は苦笑いを浮かべた。
そんな陛下が可愛らしくて自然笑顔になる。
慌てて自分の仕事を思い出し手にしていた書類を差し出した。
「こちらにサインをお願いいたします」
「あぁ、そこに置いといてくれ」
片手間に彼は言ったが、そうは行かない。
「サインをいただくまでこちらで待たせていただきます」
万遍の笑みを浮かべてそう返す。
ったく、信用無いなとぼやく陛下を余所にさらりと嫌味を返すと彼はさらに上手を行った。
「…お前、最近あいつに似てきたな」
思わずむきになって否定すると、陛下は楽しそうに声を立てて笑った。
「冗談だ。あれがふたりなんて想像しただけで寒気がする」
そうして自分で言ってつぼに嵌ったらしくさらに笑い転げる。
寒気がするなんて言いながら嬉しそうじゃない、心の中で突っ込んでみた。
ノックと共に入れと陛下の響く声が入室の許可を告げる。
午後のお茶の時間のようだ。
メイドの運んでくる紅茶の用意には必ずカップが2脚以上あった。
「休憩が終わったら直ぐにこちらの書類に眼を通そう。少し付き合っていけ」
もちろんあたしに拒否権は無い。
メイドは陛下とあたし、2人分の紅茶を注ぐとそそくさと部屋を後にした。
美味しいお茶をいただけるのは嬉しいのだけれど正直のところ今日は早くこの場を辞したい気持ちでいっぱいだった。
今日の陛下はやたらと突っかかることばかり言う。
熱い紅茶を一口含むと陛下はくすりとこちらを見て笑う。
毎度のことだがあたしの猫舌を馬鹿にする彼の習慣にいい加減飽きないのかとわざとらしく溜息をついた。
あり?やっぱりあたし奴に似てきた?
そう思った瞬間だった。
「なぁ、ライカ」
なんとなく嫌な予感がした。そして次の瞬間あたしは閉口する。
「なーんでジェイドみたいなあんな冷たくて人でなしに惚れたんだ?」
おもむろに不快を示してみせる。
そんなのはあたしが知りたい。
昔、垣間見た彼の優しさにあたしは一瞬で心奪われた。
それが彼の冷酷さだと知ったのはすぐ後のこと。
けれどどんなに彼の冷たい部分を知ってもこの想いは薄れていかなかった。
憎いくらいに…。
それがどうしてか…知りたいのはあたしのほうだ。
「知らない…」
呟くようにそう口から突いて出た。
だからいっそ嫌いになりたい。
一瞬陛下は驚いたような顔をした。
それから穏やかな笑みを浮かべると言った。
「じゃあ嫌いになれば?」
震えた声で必死に答える。
「そうですね…」
無造作に立ち上がると書類のサインを催促して無理やり仕事を再開させた。
彼が書類に眼を通しサインを終えるまで張り詰めた空気が漂ったまま無言で時が過ぎる。
手渡された書類を手に取ると一礼して無言のまま部屋を辞した。
やけに響く自分の足音にイラつきながら上司の執務室に戻る。
ノックをして入室許可を取り扉を開き中に入ると彼にしては随分と驚いた顔をしていた。
「どうかしましたか?」
問いかけると節目がちに返ってきた答えにさらにあたしは眉間に皺を寄せた。
「何か、あったのですか?」
何も、と必死に平静を繕い書類を手渡す。
「随分早かったですねぇ」
ここには居ない親友への嫌味をひとつこぼすと嫌味な上司はこちらをじっと見つめていた。
あたしの嫌いないつものこの男の微笑は今はなかった。
これの瞳には滅多に感情というものは篭らない。
否、繊細な彼はそれを表に出すことを得意としないだけか…。
真っ赤な瞳に縛り付けられてあたしは固まった。
複雑に光るその瞳に刺し殺されそうで。
何もかも見透かされていそうで…。
彼はきっと全て知っていて敢えて何も言わない。
なんて残酷な人だろうと、思う。






*******

読んでくださってありがとうございます!


最近アッシュが妙に気になってしまい…
ところが本編突入直後アッシュと絡ませ始めたら筆が進まなくなりました。
すべてはジェイドが悪い。ジェイドと居るのが可哀相でPT離脱させたのがいけない。
〈不毛な片思い編〉と銘打ってあと3本ほどで一旦終わろうと思います。
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