FC2ブログ
当ブログは……

◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
プロフィール

さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
我が家は恐ろしく寒い
ということは実は寒さに強いのかもしれません

モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

まわりに創作仲間がいないのでお友達募集中です
人見知りですが来る者拒まず!
自分からなかなか入っていけない臆病者。。。


どうぞ皆さまよろしくお願いします
コメントがございましたらお気軽に拍手ボタンよりどうぞ。



当ブログはリンクフリーです



pixiv始めました!
id=4675251

ブログ内検索
カテゴリー
お世話になっているサイトさま
FC2カウンター
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

【 深海 ( 4 ) 】

【 深海 ( 1 ) 】
【 深海 ( 2 ) 】
【 深海 ( 3 ) 】


月と太陽。太陽は眩しすぎると思っていた。







【 深海 ( 5 ) 】



それはやっぱり秘密の場所でのひと時だった。
陛下が淋しそうにはにかんだのは。
「ライカといると、つい甘えてしまいそうになる…」
「ピオニー?」
そう投げかけてから慌てて言い直す。
陛下はとても嬉しそうな顔をしていたけれど、陛下、と言いなおす。
甘えてしまいそうになるのはあたしのほうだ。
陛下とジェイドに出会ってあたしは変わった。
生まれ変わる手助けをしてくれたのが2人だ。
あたしの手は剣を握る手じゃない筆を握る手だと言ってくれたのは陛下。
一度捨てた剣を再び手にすることを告げた時陛下はとても悲しそうな顔をした。
それでもあたしは軍人になりたかった。
彼らが褒めてくれた絵ではなく、剣を取った。
言うなればピオニー陛下は兄のような存在だった。
ジェイドは…大人の男の人
太陽のような陛下の隣であたしはいつも月のようなジェイドを見上げていた。
闇は闇を惹きつける。
それは恋とは言えないほど淡い想いだった。
それだけのためにあたしは軍人になった。
近づきたかった。
あたしの知らない彼の闇に…。
やっぱりお前は軍人には向いてない、と陛下は言う。
あたしが肩を震わせ小さく泣いている時に限って彼は現れる。
そんな彼の泣き言を初めて聞いたのはいつだっただろう?
時の流れにはっとした覚えがある。
もう昔のままじゃないんだと、切なくなった。
ピオニーを陛下としてしか見れなくなったのはその時からだった。


小さな刺客を逃したのはかの人の優しさ、かの人の残酷さ。


2人にグランコクマで再び出会った時運命じゃないかと思った。

「良い絵だな」
「ええ、綺麗ですね」
頭上から降ってきた声を見上げてあたしは驚愕した。
忘れるわわけがない。
見間違えるわけがない。
太陽と月。
それが当時皇子のピオニーとカーティス家に養子に取られたジェイドだった。
あの時と一緒だった。
彼らはあたしを軽蔑することなく穏やかな笑顔で微笑みかけるのだ。
剣ではなく絵筆を握る手を見て。
天才ジェイドと同様幼いあたしは天才と呼ばれる類に属していた。
孤児だったあたしを拾ってくれたのはマルクトで暗躍していた暗殺集団だった。
英才教育を施されあっという間に一人前の暗殺者へと育て上げられた。
前皇帝時代、後継者争いの過熱していた時勢、全てはピオニー陛下を殺すために。
心の空っぽだったあたしは何の疑問も抱かずに訓練を受けいくつか任務をこなし、そして命令が下されると何のためらいもなく陛下のいるケテルブルクへと赴いた。
失敗すれば自ら命を絶て!
そう教えられていた。
けれどあたしは任務を遂行することも自ら命を絶つこともなく今こうして生きている。
虹の輝く公園で描いたその絵は未だ陛下の部屋に飾られている。
ねだられて完成した絵は陛下に差し上げた。
あたしの描いた一枚の絵を抱えて嬉しそうにはしゃぐ陛下と照れくさそうなあたしをジェイドは優しげな眼差しで見守っていた。
それが彼が特別な人になった瞬間だった。


「もう絵は描かないのか?」
突然陛下に投げかけられた言葉にあたしは言葉をなくした。
彼が愛でてやまないあたしの絵は描かなくなってどれくらいが経つだろう。
辞めたわけじゃない。ただ如何せん時間が無いのだ。
絵描きになりたいと昔彼に言ったことを後悔する。
「描きたくても時間が無いもの」
「そうか。…軍人なんて辞めちまえよ」
二言目には必ずそう言う。
あたしには向いてないと。
…とはいえ…向いていないかというとそれは間逆で世間様からはおかげさまで死霊使いと並んで妙な二つ名まで戴いてしまっているのだけれど。
「どうしてピオニーはあたしが軍人であることを嫌がるの?」
ぽつりと出てしまった本音。敬語を使う余裕もなくてピオニーと呼んでしまったことを詫びることもせずに彼を見つめていた。
向いてないと言いつつ応援してくれたのは彼だ。
なのにどうして…?
「嫌だね。俺はお前が大切だから。辛い目に合わせたくない。それだけだ」
さっきまでの陽気さは彼から消えていてその表情は真剣そのものだった。
「あたし…軍人は辞めない。けど…不毛な想いはもう辞める」
そう言うと陛下は満足そうに微笑んだ。
「ピオニーとは呼んでもらえないのが淋しいが…なら、まぁ、いいか」


あたしはジェドへの想いに決別した。
今の関係をやめると告げた時のジェイドの淋しそうな顔が忘れられない。
時が動き始めた。
あたしは昇進と共に情報部へと異動になる。
雲行きの怪しくなり始めていた敵国との争い、キムラスカ対策の一環として軍部の再編成が行なわれたのだ。
それなのにまもなくしてあたしはジェイドと主に長い間旅をすることとなる。
今度は違う意味で苦しくて堪らなかった。
あんなにも近づきたかった彼の闇を目の当たりにして…あたしはもがいた。
それは想像以上に暗く深いものだった。

それでも見上げれば俄かに心が落ち着いた。
何処に居ても空が見えれば思い出す。
あの真っ青さは陛下を彷彿とさせるから。

届かなくたって。
あの高い高い彼方にある太陽に焦がれてみるのもいいかもしれない。




(終)







*******

読んでくださってありがとうございます!
タイトルの意味とかあんまり掘り下げられてないですがひとまず完結します。

片思い万歳。
ひたすらみんな片思い(思い込み)という追いかけっこ。
言わなきゃいつまでも続く半永久的追いかけっこ。
この人たちは死ぬまでそうしてそうだ。
現時点でも既にいい歳ですからねぇ。。。
関連記事
スポンサーサイト



web拍手