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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
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モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

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【 仮定 】

ゲーム開始前後のゲオルグの心情。


もしも、なんてお前にゃ似合わん。足掻ける余地があるならば俺は足掻けるだけ足掻いてやる


みなまで言及してませんがネタバレ要素がメインの内容になってます。
やったことのない方には意味がわからないかもです。
以上2点ご了承の上どうぞ~。



【 仮定 】



 もし、あいつのように俺にも全てを投げ出しても守りたい何かがあったら違っていたのだろうか?
 あのフェリドが変わったものだなぁ、というのは素直な感想。所詮根無し草の自分、それを享楽に思い流離う。同類だと思っていたけれど何処かでわかっていた。あいつと俺とでは根本的に違う。俺には持ち得ない大きな器を持った男。その器に何を注ぐつもりでいるのか飄々とした奴の物腰からは全く掴めなかった。それがこんな大きな運命を手繰り寄せていたなどと当時の俺には想像だに出来なかっただろう。
 宮廷勤めは性に合わん。自らの居何所は戦乱の中のみ。傭兵稼業が長いと平和がどうにも居心地悪い。戦のことならいくらでも頭が回るがそれ以外のことはからっきし駄目だ。興味が無いものには興味を持てない。全く困った性分だ。それなのにどうしてまたこれはこんな所にいるのだろう?
 赤月帝国との契約を打ち切り暫くのんびりしてみようか等と柄にも無く考えていた矢先だった。もちろん面白げなものを見つければ直ぐに飛びつくつもりでいた。が、まさかこんな厄介ごとに巻き込まれる予定はそもそもなかったのだ。
 どうして断らなかったのか…。
 俺もあいつに毒されているひとり、ってことか。
 恩を返すとかそういうつもりも無い。向こうにしたって同じだろう。唯一無二の存在である。それと、あいつが居るなら何か面白そうなことがあるに違いない。理由はそれだけで事足りる。
 しかし如何せん事態はとっくに面白いを通り越してしまっている。図られたと気づくまでには数日の間で十分だった。宮廷内を数歩歩けば聞こえてくる暇な貴族共の下世話な世間話。既に下世話で済まなくなっている事に奴らはきっと気づいてないのだろう。ついにはそれが自らの身を滅ぼすなどとは微塵も思っていないに違いない。全く知らないこの国の現状を知るには十分すぎる情報だった。そうして奴の企みを何となく悟る。フェリドは俺になんて面倒臭いものを押し付けてくれたのだ…。文句のひとつでも言ってやろうかと思えば、飄々とした軽い言葉が先に返ってくる。
「そういうわけだ。宜しくな」
 …何が、“そういうわけ”なんだ?!という俺の嘆きは奴に聞きとめられることはなく。そうしてまた一手裏を取られる。
 奴の頼みならば手を貸してやりたいのは山々だが俺にも意地がある。あいつは目的のなためならば自己犠牲も厭わない。それしか手段が無いといわれても素直にそんなものに頷けるものか。俺には無理だ。けれどあいつはそれを真っ向から受け入れてやって見せようとしているのだろう。
 残されたもののこともきちんと考えての上での覚悟だろうが、それはお前の自己満足にしか過ぎないのではないか?
 これは自分の杞憂だと信じたい。だがもしそうならば俺は足掻けるとこまでは足掻いてみせる。


 周囲と馴染む間も無く視察に向かう王子一行の護衛としての任務を与えられる。この国の現状についてそこで更なる追い討ちをかけられる。ここ数日でわかったのは誰しも自分のことを快く思っていないということだ。噂話に精を出す貴族然り同僚然り。ファレナ女王国にとって女王が絶対的なものであるようそれに使える女王騎士というのもそれだけ崇高な地位にあるようだ。現女王騎士長であるフェリドも常に逆境に晒され続けてきたとは、騎士たちの中でも幾度もの戦場を潜り抜けてきたであろう年長者ガレオン殿の弁だ。気にすることは無いと堅物の騎士は言った。彼を筆頭に堅物の騎士が他にも2人ほどいた。彼らはまだ若い。若さ故のギラギラとした野心の塊のような瞳でこちらを射抜くように睨み付けてくる。廊下で耳にした噂話を思い浮かべる。あぁ、そういうことか。彼らはいわゆるゴドヴィン派に肩入れしているのだろう。方やフェリドや女王は穏健派であるバロウズ派に傾倒している、というのが宮内でもっぱらの噂のようだ。すなわちフェリドに連れられてきた俺もバロウズ派、というわけだ。バロウズ家のバの字も俺は知らないっていうのに。
 噂というのは全く何処へ行っても一人歩きするものだ。視察から戻ると周りの目はさらに厳しいものに変わっていた。日ごろの行いの悪さ故か。素性というもの一切は公にしていなかったのだが知らぬ間にそれらが一人歩きしている。大方出所はフェリドなのだろうが…今度は見定めるという意味で厳しい視線が突き刺さってくるのだ。こういう時おべっかのひとつでも言えれば万事上手く収まるのだろう。…そういうのは苦手だ。だから宮殿勤めは面倒くさい。
 確かに巷では二太刀いらずのゲオルグと呼ばれていたりするらしいし、赤月帝国皇帝の下で武将として剣を振るったこともある。が、所詮それは世間が勝手に決めた俺の価値。そういったものにはあまり興味が無い。そういった物差しばかりで人を判断する人間が一番苦手だ。好きな女のためとはいえそんな中で生きる決心をしたフェリドはやっぱり凄い奴だと思う。
 俺の知っている女王は彼女の本質ではないらしい。昔から彼女のことを傍で知っている奴はみな口を揃えて言う。おれの目に映る女王は見事なまでに不安定な精神の持ち主であるがそんな風に彼女を変えたのは代々国に祭られてきた紋章・太陽の紋章によるものだという。27の真の紋章…それを有する方の傍に先日まで身を置いていたが。あの方は随分周到に紋章というものと付き合っていた気がする。もしくはそれほどまでに太陽の紋章が強力な力を持っているということなのか?少なくとも女王が太陽の紋章を宿したことで女王は変わってしまい同時にこの国も変わってしまったのだろう。そんな女王自身が一番それを気に病んでいるに違いない。
 

「な~にしてるんですかぁ?」
「月見酒だ」
 声をかけてきたのは同じ女王騎士であるカイルだった。優男を気取る奴の瞳の奥には野生的な鋭い光が隠されているようだった。それが彼に対する印象。
「風流ですねぇ。何か考え事ですか?」
 のほほんと紡がれる物言いとは裏腹にこうして鋭いナイフが隠れていたりするのだ。そして人懐こい笑顔は明らかに自分にも酒を寄こせと言っている。
「グラスは1つしかないのだが?」
「もうそれだけしか残ってないじゃないですか。半分こしたら丁度ですよ。ひとりはグラス、一人はそのまんまでいいんじゃないですかぁ?」
 手にしていたグラスに酒を注ぎ足し、半分残った瓶をカイルに手渡す。敢えて量の多いほうを。
「なぁ、お前から見てこの国はどうだ?」
「あれれ。俺にそんなこと聞いちゃっていいんですか?」
 バロウズ派の自分にとでも言うつもりだろうか。
「どちらでもないお前に聞くのが一番適していると思ったからだ」
 カイルは多めに酒を流し込むと居心地悪そうに苦笑いを浮かべた。
「参ったなぁ。ゲオルグ殿にはかなわないや」
 悪びた風もなくいつもの調子で彼はおどけて見せた。
「俺はね、至って不満です」
 彼らしくもない(というほど良く知っているわけではないが)不穏な言葉の選び方に一瞬眉を顰めてしまった。                                                      「…みんな考えているのは国のことと言いながら私欲ばかり。陛下やフェリド様、それに王子と姫それからサイアリーズ様。このままじゃ俺の大好きな人たちが苦しんでしまう。そんなのは嫌だ。けれど…俺に出来ることって精々身辺を守ることくらいだし。…あの方たちの幸せを守るのが俺の全てなんです。俺はフェリド様に救われたから。フェリド様と陛下のお陰で王子やサイアリーズ様に出会えて俺は変われたんです。そんな素敵な人たちが守る国を私欲のためだけに動かそうとする奴らが許せないです」
「おい、」
 彼らしくない直球な言葉にはやはり先ほどと同じく不穏な響きが含まれている。酔っているのか?それから彼は暫くのまま月を見上げ微動だにしなかった。敢えて俺はそんな彼の方を向かぬように勤めた。
「参ったなぁ。ついついゲオルグ殿には気を許してしまうようだ」
 咎めるべきかと思っていたがそう言われてしまえば何も言えなくなってしまう。
「しかし、気をつけるに越したことは無い」
「わかってますよぉ。宮殿内での身の振り方くらい。身に沁みてます」
 兵士上がりだとかいう話を以前フェリドが言っていたか。彼もそれなりに苦労してきたことだろう。ならば互いに身を案じ合うより我が身を案じるほうが賢明か。
 その後言葉を交わすことなく月を相手に2人無言のまま杯が空になるまで飲み続けた。
 嵐の前の静けさの中、よくよく考えると奇妙な酒だった。
 拾われた野良犬は飼い主の心に機敏だった。
 あれは恐らくその不安から来る俺への懇願。


 話があるというフェリドのもとへ夜半に訪れたのは思いがけずカイルと酒を交わしたその数日後のことだ。
 もしも、と奴は言ったがそれは明らかに仮定ではなく断定だと響き、非は用意されておらずあるのは是だけだった。このフェリドにそこまで言わせるとは本当に女王は凄い女だ。ならばその信義を買わぬわけには行かぬ。
 だが唯でお前の口車に乗せられてたまるか。弱気な発言ならば尚更だ。それは足掻けるだけ足掻いてからだ。
 そうしてその時はお前の志を無駄にはすまい。お前が残して往く者達にお前が伝え切れなかったことを俺に出来ることは全て届けよう。お前の代わりに全て見届けていこうではないか。
 自らの手が穢れることなど他愛無いことだ。
 こうなりゃお前のために俺が出来ることならなんでもしてやる。






*******

読んでくださってありがとうございます!

節操なくシリーズごちゃ混ぜにお題消化中。
再びゲオルグ、に何故かカイルが絡んでしまいました。
フェリド話が書きたかったのですがフェリド周りの話になってしまいました。
フェリド&ゲオルグ好きだなぁ。友達になったら楽しそうな2人。
前に書いたゲオカイの話とは全然関連ありません。
この作品を足がかりにフェリド関連話を幾つか書こうと思ってます。
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