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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
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幻想水滸伝3パーシヴァル夢 【  抱 き 枕 (2)  】

数年振りに故郷のゼクセンに訪れたヒロイン。
団長と再会、そしてクリスと出会います。



――懐かしい香り、新しい友

   大丈夫、きっとうまく笑える――



【  抱 き 枕 (1)  】



 





【  抱 き 枕 (2)  】











 
 リンの元に幼い頃から懇意にしてもらっていたその人物から久方ぶりの便りが届いたのは少し前のことだ。
 大好きだった“おじさま”からの便りに彼女は心を弾ませて封を切ろうとして気づく。手紙の差出人はゼクセン騎士団団長なのだ。  
 彼はゼクセン騎士団の団長を務めていた。ゼクセン騎士団と言えば彼女が住んでいた大国までも届くほど近年は近隣諸国から一目置かれている。その騎士団を纏めている“おじさま”からの用件は国に戻ってこないかというものだった。頻繁になり始めた隣国との小競り合いを前に力を貸して欲しいという。
 彼女が故郷のゼクセン連邦を離れてからもう大分経つ。
 もうこの大国に長く住んでいるけれどもリンはあまりこの国が好きではなかった。大好きな人たちに囲まれて穏やかに暮らしてはいるものの…何かが足りないのだ。
 あっても困るけれど無いと淋しい何か。
 自分の力が思う存分に使えるのなら喜んでお誘いを受けよう、と思う気持ちとは裏腹にその何かに押しつぶされてしまわないかという不安をリンは感じていた。
 彼女が長く故郷を離れていたのにはそれなりに理由があってのことだ。目的もあった。
 そのかわり、故郷に残した苦い時間もあった。
 
 あたしだってもう子供じゃない。
 そう、ひとりだって大丈夫。だから…。

 ゼクセまでの長い引越しは彼女に考える時間をたくさん与えた。

 一杯考えて決心したのだからあたしはきっと大丈夫。
 大丈夫、上手くやっていける。
 ――上手く、笑えると思う。

 単身国を出て道すがら出くわす魔物をなぎ倒しながらそのたびにリンは一つ一つ不安をなぎ払っていった。そうして目にした故郷の入り口に彼女は一瞬怯んだものの、顔を上げた時には何も迷いはなかったはずだった。



 門番の兵士に声をかけ、手紙に同封されていた紹介状を差し出した。兵士は団長の名に慌てたように急に佇まいを直した。そして近くにいた同僚と思しき兵士に彼が声をかけると慌しそうに駆ける音が聞こえた。その慌て振りにリンは申し訳なく思い苦笑いを浮かべた。
 直ぐに甲冑を身に着けた長身の騎士がやってきた。
「どうぞ、ご案内いたします」
 長身の騎士から発せられた丁寧な言葉に思わず彼女は萎縮した。こんな丁重な扱いを受けるとは微塵も思っていなかったのだ。
 緊張を相手に悟られてしまうのは若干癪だった。日差しよけに外套のフードを深く被っていてたことが幸いして彼女の表情は彼に気取られていないはずだ。そもそも、その騎士はだいぶ背丈があり、背の低いリンからは彼の胸辺りまでしか見えていない。だから屈まない限り向こうからも見えないはずだった。そこに気づいて彼女は安堵した。

 ――そもそもあたしはあまり人と関わるのは得意じゃない。

 人見知りと緊張のため、その時リンは終始俯きがちだった。その長身の騎士の顔をフード越しに見上げることすらしていない。あごのラインぎりぎり辺りを視界に入れて遣り過ごしたのだ。その程度見上げたところで深く被ったフードのせいで彼女の顔もはっきりあちらからは見えていない。
「荷物、持ちましょう。長旅でお疲れでしょう」
 またしても丁寧に紡がれる言葉にリンは丁重に断りを入れた。
「ありがとうございます。ここまで自分で運んできたのですから大丈夫です」
 しかし、相手も簡単には引かなかった。彼女が引きずっていたトランクはあっさり彼の手に奪われてしまう。
「わたしが大丈夫ではないのですよ」
 フードの下できょとんとしているリンの顔は見えていないはずの彼がくすりと笑ったような気がして彼女は少し見上げてみた。彼の肩が震えているのが見えた。
「貴方が大丈夫でも女性に重いものを持たせるなんて男として失格です」
 笑いを必死に押し殺している割に随分フェミニストな彼の物言いに遂に彼女も思わず笑いそうになる。
 リンは聞きかじった噂と旧知であるゼクセン騎士団団長と副団長に因って、ゼクセン騎士団というものは本来の騎士道とは少し違いもっと傭兵然とした無骨な人間の集合だと思っていたのだ。初っ端からこんなお茶目な場面に出くわすとは彼女も思っていなかった。
「えぇっと、あの、あたし、整備士だから、その……」
 ……重いものもそれなりに持てなきゃやっていけない。
 
 城下町、そして城内の団長室へ到着するまでの間、案内役の騎士様はリンにブラス城の色々なことを話して聞かせた。
 しかし……その話は耳から耳へとすっかり抜けていく。
 
 彼女は気になって仕方なかったのだ。
 それは懐かしい香りがしたから。
 
 草原に置いてきたはずのものが、吹っ切ってきたはずのものが彼女の周囲を纏わり付いて彼女を困らせた。



 団長室の前に着くと丁度部屋から出てきた他の騎士にリンを任し案内役の長身の騎士は彼女がお礼を言う間もなく立ち去ってしまった。
 久しぶりに会う“おじさま”は昔と変わらず、けれど昔よりももっと団長としての貫禄が増したように彼女は感じた。彼女が最後に会ったのは確かガラバドがまだ団長に就任して間もない頃だった。ガラバドは彼女の養い親の友人であり、未婚の彼はわが娘同然のようにリンを可愛がっていた。ガラバドは麗しく育ったリンの姿に目を細めた。
 一先ず再会の挨拶を済ませ一通りこれからの事を話し終えると香りのよい紅茶をお供に談笑の時間になる。
「お元気そうで何よりです。そちらの活躍ぶりはハルモニアへも届くほどです。グラスランド辺りではゼクセンの鉄頭は全身鉄で出来てるんじゃないかって噂ですよ」
 その言葉にガラバドは豪快に声を立てて笑う。
「……安心した。見違えるように元気になった」
 リンは小さく微笑むしか出来なかった。
「やはりこちらに戻ってくるのは抵抗があるのではいかと思ってな」
 事実だった。さっきもあの騎士の横で彼女は内心乱れていたのだから。見透かされている。気持ちが翳らないようにリンが必死に堪えていると、ガラバドが優しく微笑むのが見えて彼女は安堵した。  だからまた気丈な言葉が口から飛び出してくれた。
「おじ様からご連絡頂いた時から楽しみで仕方ありませんでしたわ」
「はっはっは!そんなことだろうとも思っていたよ。奴の過保護もさすがにここまでは届かんだろう」
「も~!からかわないでください。大変だったんですよぉ」
「……それはこっちも同じだ。お前に手紙を出す前に何度奴とやり取りしたことか」
「うぅ、お手数おかけしました。ホント…いい加減子離れすればいいのに」
「そういってやるな。あいつだってお前が可愛くて仕方ないんだ」
「度を越えてます…」
 軽い気持ちで言ったはずの彼女の言葉は妙に重く響いた。空気が一気に静まり返る。
 何気ない言葉だったのだが、そう、ここはゼクセン…。彼女には想い出と思い入れがたくさん詰まった場所なのだ。
 


 重い空気を断ち切ったのはノックの音、そして勢い良く扉は開いた。二人は安堵に表情を一気に緩ませる。そしてそこには鳩が豆鉄砲でも食らったようにそんなふたりを見つめる鎧を身に着けた少女が立っていた。
 彼女は直ぐに我に返るとすごい勢いで非礼を詫びそしてまたすごい勢いで後ろを振り返ったが直ぐに部屋の中へ向きなおし一瞬悔しそうに顔を歪めた。
「…はめられました」
 そうぽつりと呟いた声は随分気の抜けた調子だった。ガラバドは“またあいつは”と愉快そうに笑った。どうやらいたずら好きがいるらしい。
 先ほど言っていた“合わせておきたい者がいる”というのが彼女のことなのだろう。
 とりあえず彼女が落ち着くのを待った。すると急にリンのほうが緊張してきてしまう。お見合いみたいな不思議な空気が流れる。その様子をガラバドは面白そうに眺めていた。
「お初にお目にかかります。リン・ラストバーグと申します」
 少女が落ち着いたのを見計らってリンのほうから自己紹介をすると彼女は急にどぎまぎし始めた。 それは剣を振るっているとは思えなくらいに挙動不審で、けれどそれが何処か微笑ましく感じてしまいリンは自然に笑顔になる。
「ク、クリス・ライトフェローです」
 漸く彼女は自分の名前だけ言った。かちんこちんに固まってしまっている。だんだん可笑しくなって来てしまったリンは必死に笑いを堪えていたのだが、ガラバドは耐えることなく声を出して笑い出してしまった。
 彼女の顔が一気に赤くなる。それがまた可愛らしいのだ。
「クリス、取り合えずこっちに腰を下ろしてみてはどうだ」
 自身の緊張をほぐすための提案にもクリスは命令としてとったのだろう。
「はっ。失礼します」
 それは騎士らしいきびきびとした口調なのにやはり挙動不審のままソファーへと向かう。隣り合わせに座ると一気に張っていた気も緩むものだ。ふぅと一息はいて肩の力を落とすとクリスは改めてリンに自己紹介をした。けれど、もうリンの笑いのツボは限界で、よろしくと言いかけた言葉はこみ上げる笑いに掻き消された。
 初対面の人間にいきなり大笑いされては如何せん気分が悪いに違いない。
 どうにか笑いを収めて謝るとクリスは部屋の入り口を見て溜息をついた。
「そういうのは慣れている…」
 呆れたような諦めたようなけれど何処か楽しそうなその一言はきっとさっきの“はめられました…”ってやつと関係してるんだろう。
 そうしてリンとクリスの初対面は済まされた。
 その第一印象は先程ガラバドから聞いていたものとはかけ離れていて親近感さえ覚えるほどだった。ガラバドは常に感情を押し殺し頑なに振舞う彼女を甚く心配している。せめて心を許せる相手の一人でも居てくれればと。
 警戒心でがちがちに武装された鋼の乙女は随分とみんなに愛されているようだ。
 ともあれ、これから周りは男ばかりであろう職場の紅一点との対面は自分の人見知りを呪う事無く無事に終わった。
 彼女とはきっと上手く付き合っていける、そんな直感をリンはしていた。















*******

読んでくださってありがとうございます。

彼は既にヒロインに気づいてます。
そそくさ去ったくせに、実は部屋の傍でそわそわ近くで様子伺ってました。
突飛だったりご都合主義的な捏造設定や考察の行き届かない部分が既にちらほら出てきてますが
どうか目を瞑ってください。。。
クリスと出会いましたが、彼女はたいしてこのお話では活躍しませんのであしからず。

よろしければ引き続きお付き合いください!
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