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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
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幻想水滸伝3パーシヴァル夢 【  抱 き 枕 (4)  】

遂にパーシヴァルと再会します。
変わってしまった距離感と変わらない彼のおせっかい。



 ――時間は過ぎてゆく
    変わって当たり前なのだ
    結局自分たちの距離はどうやっても縮まらないのだろうか?――



【  抱 き 枕 (1)  】【  抱 き 枕 (2)  】【  抱 き 枕 (3)  】







【  抱 き 枕 (4)  】


















「リン?」
 不意にかけられた声には懐かしいあったかい響きが込められていた。リンが作業の手を止めて振り返ると、そこに居たのはパーシヴァルだった。

 忘れられない人。
 あたしの愛しい人…。

 今や誇り高きゼクセン騎士団6騎士のひとりパーシヴァル様、か。
 人違いを装ってしまいたい。
 とっさにリンはそんなことを思った。
 しかし直後自分が浅はかだったと思い知る。ここに勤めていればそんな日も来るのはわかっていた。現にいつだって彼が見えると自然と目で追っていたのは彼女だ。しかし、会いたいかと尋ねるユーリに会いたくないと言ったのも彼女自身だった。   
 不意打ちにもほどがある。昔と何も変わらないパーシヴァルの笑顔はリンの胸を締め付けた。
 彼女は久しぶりという適当な言葉すら言えずにその場で固まる、しかなかった。仕方なかった。この状況をするりとかわせるほど器用な身の振る舞いを彼女は心得ていない。
 隣に居たボルスが知り合いかとパーシヴァルに問いかける。幼馴染さと彼が返す。
 
 幼馴染、か…。
 
 その言い方が嫌いだった。嫌気がする。
 なんだか急に胸がむかむかしてきて気持ち悪くなってきた。

「お元気でしたか?」
 パーシヴァルのその丁寧な言葉遣いに過ぎた時間の長さ、違和感と居心地の悪さをリンは感じていた。そしてはっとする。きっと彼女の顔は元気には見えない。
「貴方がこちらに来ていたことは前から知っていたんだけれどね。なかなか声をかける機会がなかったというか…」
 ブラス城に到着した日のことがフラッシュバックする。そして彼の声は突然聞こえなくなりふっと目の前が白くなった。
 リンが気が付いたときには倉庫の壁に持たれ掛けられてパーシヴァルとボルスが彼女のの顔を覗き込んでいるところだった。
「ったく…いつもいつも調子悪いなら悪いって先に言えよな」
 ボルスが大きなため息をつく。
「すいません…」
「少しそこで休んでいなさい」
 それだけ言うとボルスはひとり仕事に戻っていった。
 まだ気持ち悪い…。頭がボーっとする。
 不意に伸びてきた手が、リンの顔に触れた。
 それはあの時と同じ、懐かしい香り。
 愕然としてた。恐る恐る手の主を見上げるとパーシヴァルが心配そうな顔をしていた。目が合ってしまうが動揺を隠せない彼女の眼は泳ぐ。
「きちんと食べているか?眠れているか?」
 彼は昔から人の顔見ればそればかりだ。…そう言われてしまう自分自身が悪いというのは重々リン自信もわかっている。
 経った時間を感じさせない彼の言い草。それでも彼への距離は遠いようにリンには感じた。
 
 あぁ、そうか。結局自分たちの距離はどうやっても縮まらないのだ。
 貴族と平民。身分違い。あの頃と逆転しただけだ。

「大丈夫。ちゃんとやってるよ」
 青白い顔のまま、それでも平然を装った穏やかな声を彼女は作った。出来る限りの去勢を張った。
「ならば良いのだが。…無理はなさらないよう」
 パーシヴァルの後ろ姿を見ながらリンは複雑な気持ちになっていた。
 変わり果てた口調に彼がもはや確固たる地位にいる人物なのだという実感が改めてわきあがる。
 
 もう昔のパーシィではない。
 今と昔では変わってしまった。
 時間は過ぎてゆく。
 変わって当たり前なのだ。






 その晩、リンはボルスから夕食に誘われた。断ろうとしたものの、食べないから倒れるんだと詰め寄られれば仕方なく了承するしかない。迷惑をかけたのは事実なのだ。
 彼女が食堂に行くのは初めてだった。人は多いし、男世帯の騎士団じゃ量が大いに決まってる。人と比べて極端に少食な彼女は倦厭していた。
 相変わらず彼女は必要以上に動き回らない。そのためブラス城の中も未だどこに何があるかよく理解していない。食堂に向かいながらリンがそう言うとボルスは呆れていた。
 食堂に入ると先に来ていたレオがこっちだとボルスに向かって手を挙げる。その向かいにはパーシヴァルが頬杖を付いて座っていた。ボルスに促されるままにリンも彼らのほうへ向かい、すると当然のようにボルスはパーシヴァルの隣を空けてレオの隣に座った。リンはパーシヴァルの隣に座わるほか仕方ない。
「これは、モグラ殿。めずらしくボルスが女性を連れていると思えば」
 レオが豪快に茶化す。
「ボルス殿に引っ張ってこられました」
 パーシヴァルは当たり前のように笑いながらリンとボルスにメニューを渡す。
 
 貴方が居るせいで余計に私は食欲がなくなってしまいました。

 リンはそんなことを思いながらも、隣のパーシヴァルが気になって仕方ない。
 
 きっと貴方は何事もなかったように優しく笑うのだろう。
 
 ボルスが5秒で決まったのに対してリンは延々メニューとにらめっこし続けていた。レオが横からやれあれがいいこれがいいと進めてくるがどうにも彼女は気が乗らない。どう見繕っても量が多そうなのだ。すると見かねたパーシヴァルが適当にリンの分も注文してしまう。
 彼はしっかり少なめでと付け足していた。
 
 どうしてこの人はあたしに優しくするんだろう…。人の気も知らないで…。
 
 リンは内心穏やかではいられなかった。
 

 まず麦酒が運ばれてくる。4人分。モグラ殿に乾杯!と余計な音頭を取ったのはレオだ。その声に周りに居た騎士や兵士がいっせいに彼女たちのほうを向いた。リンは恥ずかしそうに乾杯と小さく言うと居心地の悪さから一気に胃の中に流し込んだ。酒に強い彼女は酔わないのはわかっていてもそうせずにはいられなかった。
 それからしばらくして食事が運ばれてきた。まず大盛りの定食が3つ…それを見ただけでリンの満腹中枢はおなか一杯を通り過ぎる。
 そして彼女の前にはそれでも少なく盛られたオムライスがおかれた。
「それしか食べないのか。だからモグラ殿は小さいんじゃないか?」
 レオは眼を丸くしている。
「リン…そんなにじっと見つめていてもご飯は減らないよ」
 彼女がなかなか食事に手をつけないでいるとボルスがばかばかしそうに言った。
「だってぇ…」
 食欲がないのだ。いつものことだけど食べる気がしない。
 突然目の前から皿が消えた。と思えばパーシヴァルが半分を自分のさらに移し、残ったものを再びリンの前に置いた。
「これなら食べられるだろう」
 そう言って彼は大きな溜息をついた。リンは仕方なくスプーンを握る。
「…それ全部食べたら良いものをやろう」
「なに?!」
「食べ終えたら教えてやる」
 パーシヴァルの提案にリンは目を輝かせてオムライスをほおばった。げんきんなものである。いつの間にか彼の口調が砕けていたことに彼女は気づかなかった。



 食事を終えたリンとパーシヴァルは他の二人と別れて下町へと乗り出していた。先程のご褒美を貰う為だ。あれほど居心地が悪いと思っていたのに気が付けば買ってもらったアイス片手に彼女はご機嫌だった。
 ちょっと待っていてと言うと彼はポストに走っていった。その姿に昔の彼を重ねたリンは変わってないなと安堵する。
 ポケットからタバコを取り出して火をつける。

 気分が良いとこんなにも街の景色が違って見えることに少し驚いていた。















*******

読んでくださってありがとうございます!

パーシヴァルの挙動が怪しいです。すいません。
半分は仕様、残り半分はあたくしの力及ばずです。
毎回思うのですが一話分の長さはいかがでしょう?
二つ目載せたあたりで長くて読みづらい気がして短めに短めにと気をつけてみているのですが
毎回切る場所にも困ってます。

身分違いってことを散々言っているので、じゃあクリスやボルスは?って思われたかと思います。
一応弁解しておくとですね、それはパーシヴァルを牽制するための建前です。
奴もしょっぱなヒロインに牽制かけたので取り敢えずはお相子だろうか?

よろしければ引き続きお付き合いください。
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