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さやな

Author:さやな
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モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

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幻想水滸伝シード 【 燈した明かりは消えることなく燃え続ける 】

その1・ガードの固い彼女を口説くシード

    ・シードと同僚設定




――大切なものを無くした人間は物事に対する執着心を無くすか強くするかどちらかだ
 






【 燈した明かりは消えることなく燃え続ける 】







 



 



 猛将と唄われど場所が戦場でなければ、うまい酒を飲んでうまい飯を食べてそれに幸福を感じる。些細なことで十分だった。そして自分の愛する女性。彼女が笑っていればそれだけで幸せなのだ。
 時に故郷や家族に思いを馳せ、遠い目をして何が悪い。確固たる信念と努力でここまで這い上がってきたのだ。だからこそその想いは人一倍強い。否、もうなくなってしまった故郷と家族。だからもう何もなくしたくないのだ。

 何がここまでこの女のガードを固くしているのか。
 こういう時、考えようにも考えるということが彼のもっとも苦手とするものだった。だから無駄なことはせずに再び彼は真正面から突っ込んでいく。余程自らに自信がなければ出来ない芸当だ。
「シード」
 不意に名前を呼ばれて彼の心は高鳴る。
「いい加減飽きない?」
 そうして言われた言葉に彼は一気にどん底に落ちるのだ。落石注意。わかっていても近づいてしまう自分はやっぱり馬鹿なのだろうか?落とした本人は何もなかったようにいつもの笑顔を浮かべている。それは受け入れているようで周囲のもの全てを拒絶した微笑みだった。ここから先は入ってくるなと無言の警告、されればされるほど深みにはまっていく。彼女がもっと知りたい。いや、そんな生ぬるい感情じゃない。彼女を自分だけのものにしたい。彼女が何を拒もうとも構わない。自分だけがそこに入り込めるなら彼女の全ては自分のもの。
 …どうして彼女にそこまで惹かれるのか。シード自身よくわからなかった。



「お前は時々自信過剰過ぎる」
 相棒の唐突な言葉にシードは目をきょとんとさせた。
「なんで今の話からそうなるんだよ」
 自分の嘆きにあっけらかんと返すシードにクルガンはだめ押すようにため息をついてみせる。この単細胞はいちいち端まで説明しないと言葉を理解できないらしい。そうして彼は俄かに口の端をあげる。あくまで瞳は不機嫌そうに。そこには知った仲だからこそ許される嘲笑が込められていた。漸く馬鹿にされていると気づいたシードが食って掛かろうとするが彼は珍しくその衝動を自ら引き止めた。
 それくらい、彼にとっては死活問題だったのだろう。
 多寡が女の一人や二人で…。
 内心そう思いつつクルガンは多少シードが哀れに思えてしまいアドバイスのひとつでもしてやろうと考える。
「…そこまでなびかんということはよっぽどお前に興味が持てないのだろう」
 実際出てきた言葉はアドバイスや慰めの類ではなく…すぐに激情したシードの罵声が飛び交った。
「覚えてろよっ!絶対俺は落としてみせる!!!」
 大切なものを無くした人間は物事に対する執着心を無くすか強くするかどちらかだ。自分たちは明らかに後者だった。恐らく彼女は前者なのだろう。ガードが固いのではない。ただ単純に興味がないだけなのだろうとクルガンは思った。
 単細胞ではあるものの決してシードは馬鹿なわけではない。火がついてしまうと誰も触れないのは確かだが普段はクールで理知的な面もある。が、あくまでそれは中身であり人の印象の大半が決まってしまううわべに関しては気性・言動ともに荒っぽいことこの上ないわけで。そんな中身は勝負事になるとどっかへ消えてしまう。策は策士に任せて自分はひたすら突っ走る態がある。突っ走った結果自分だけでは策がないことにようやく気づいた彼はこうして相方に相談にやってきた。本人も自分の欠点は重々わかっているのである。そこを見越して行動できるかはさて置き。
 嵐のように去っていった相棒はしっかり扉は開けっぱなしだ。先ほどからいつものことだと傍観していたクルガンの副官は未だぽかーんと口をあけたまま唖然としている。その様子を眺めながらクルガンは少し反省してみた。意地悪をしすぎたかもしれない。あの様子では恐らく、気づくべきことにシードはまだ暫く気づけないだろう。
 どうして彼女は誰にも心を開かないのか。
 どうして。要点はそこだというのに。




「なぁ。今度の公休に出かけないか?」
「今度の公休っていつ?」
「……お前、俺の話し聴いてたか?」
「聴いてたわよ」
「絶対聴いてなかった」
「あら、ちゃんと聴いてたつもりだけれど。あれ見ながら」
 そう言って彼女が指を指したほうを見ると不細工なピエロがへたくそな芸をしていた。俺はあれより下なのかと内心シードは愕然とするもすぐに持ち直す。
「明後日!絶対空けとけよ。絶対だからな~!」
 引き際が肝心だ。それだけ念を押しながら彼はいつもの粘り強さはひた隠して踵を返した。














*******

読んでくださってありがとうございます!

なびかなければなびかなほど彼は燃えそう。

続く、予定です

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