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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
我が家は恐ろしく寒い
ということは実は寒さに強いのかもしれません

モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

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colors (1)

ゲームより何年か前のお話のつもりです。
ここでのパークリはボルスと共に親友。


お相手:パーシヴァル
ヒロイン:ボルスの幼馴染でブラス城下にアトリエ兼住居を構える絵描き


パーシヴァル・ボルス・クリスが気を休められる場所を作りたくて書いてます。


ラブなパークリも好いけれど親友止まりな二人も好きです。

【 colors(1) 】


 あの人は赤が似合う。あの人はきっと青だ…。そんなことを思いながら往来の人の群れを眺める。
 あたしは何色だろう?
 あの時泣いていた彼はきっと、水色。
 みずいろじゃない。水の色。
 苦しそうにけれど自嘲気味な笑みを浮かべる頬に伝う涙があまりにも綺麗だった。あまりの綺麗さに見とれていたあたしは気づいてなかった。氷のような瞳がこちらを向いてたことには。覗き見なんてするつもりもなかったのに見惚れてその場から動けなかったのだ。
 人間観察は面白い。暇があればあたしはこうやって往来を行きかう人々を眺めた。いろんな人の出で立ちや歩き方から、出身や人柄・身の上などを想像してみる。そうやって面白いアイデアを思いつくとアトリエに篭り筆を取る。ところが最近は思うように仕事が進まないのだ。そういうわけで自然通りでボーっとする時間が増える。行きかう人を見ても見ても浮かんでくるのは彼の横顔だけだった。そして見れば見るほど彼のことで頭が占められていくのだ。名前も知らないかの人で…。


 あれは新月の夜だった。
真っ暗なのに何故あれだけはっきりと彼の表情が見て取れたのか自分でも不思議だった。
その日、あたしは乗り気のしない舞踏会へ出席していた。滅多にそういう場へ姿を見せないあたしに色々な人が近づいてきて本当に面倒だった。適齢期、な訳だから。我が家の家名に飛びついたそういう目的の人がほとんどであり、それがまた面倒くさい。あたしはそんなご縁はごめんだ。早々にあたしは会場を逃げ出して中庭へ避難していた。
 真っ暗だった。冷え切ったベンチに腰掛け人目もはばからず煙草を吸って時間を潰した。そろそろ頃合かと立ち上がった時目に入ってきたのが彼だった。きっと彼もここなら誰も来やしないと思っていたのだろう。
 柱に持たれかかり空お仰ぐ漆黒の男。
 見とれていたのもあるけれど、流石に申し訳なく彼がその場を後にするまであたしはその場に留まるはめになったのだ。
 いつもならこれをネタにアトリエに篭るのだろう。否、その通り篭ってみたのだが、何も出ては来なかった。彼の涙のわけをひたすら想像した。けれど思いつくものは無く…ただただ彼の涙の理由が気になった。
 

 そして今日もいつもの通りぼーっと花壇に腰掛けて煙草を吸う。埒が明かない。帰って読書でもしようかと立ち上がった時、徐に腕を掴まれた。
 あたし何か悪いことでもしたのだろうか?
 善良な一市民のはずだけれど…?
 初めに頭を過ぎったのはそんなことだった。自分より随分上にある見知った顔に血の気の引くのを感じた。知り合いというわけではない。ただこの国でこの人を知らない人は居ないだろう。誉れ高きゼクセン騎士団六騎士が1人、パーシヴァル・フロイライン卿。最も今の彼は私服だったが、しっかり帯剣はされている。偉く怖い顔をしていた。
「あの…何か…?」
 どうにか言葉を振り絞る。彼は返事をするわけでもなくじっとこちらを見つめていた。いや、睨んでいた、が正解のような気もする。あたしとて咎められるべきことをした覚えは無い。さっきの動揺とは打って変わってこちらも睨み返してみる。しばしの間にらみ合いが続いたが先に負けたのは彼のほうだった。まず目元が緩むと、そのまま彼は声を立てて笑い出した。
 彼といえば、良く女性たちに囲まれているのを目にする。ただ度々目にするその印象と今目の前で笑っている彼とは随分違うと思った。
 何がなんだか状況が読めないが兎に角居心地が悪かった。いきなり腕を掴まれて威嚇されたかと思えば大笑いされて…。とりあえずあたしの機嫌が非常に宜しくなくなったのは確かだ。隣に腰掛け、長い足を持て余すように組み笑い転げる彼に少しの間あたしは立ち尽くしたまま呆然と見つめていたが、この状況に我に返ると彼の目の前に立ち抗議を試みた。
「…物凄く理不尽なのですが?」
 その瞬間、彼の瞳が冷たく光った気がした。が、気のせいだろうか?彼は変わらず朗らかな表情を浮かべている。
「いえ、すいません。人の泣き顔を覗き見るような趣味の良いお嬢様はいったいどんな方なのかと思って。まさか、こんな…」
 冷や汗が伝うのを感じた。
「何のことですか」
 ぶるっと走る鳥肌にこちらの動揺を気づかれぬよう嫌みったらしく敢えて聞き返す。
 髪型が違っていて気づかなかった…。
 これは罰が悪い。逃げ出したい想いで一杯になる。まぁまぁ、と彼に宥められるがままに再びあたしも腰を下ろした。居心地が悪さを煙草で誤魔化そうとポケットから取り出す。が、咥えた煙草と着けようとしていたライターは自分の手元から姿を消した。カチッという金属音とボゥッと火の着く音がすると彼は当たり前のように煙を吐き出しあたしに言うのだ。
「名家のご令嬢にこんなものは似合いませんよ?」
 彼の言葉は無視して再び取り出した煙草を咥え無理やり彼の手からライターを取り返す。
「だからって全うに育つとは限りませんわよ?」
 あんたの周りにはその典型的なのが2人も転がっているじゃないか。彼と同じ6騎士のクリス様とボルス卿。今や手の届かないところに行ってしまったが貴族同士幼い頃から両家とは交流があったから知ってる。ボルスは時々あたしのアトリエに遊びにやってくるが、クリス様などは幼い頃しか知らないが幼少から二人とも型破りだった。あたしなど到底及ばないほどにね。
「パーシヴァル様は良くご存知でしょう。ご同僚にもいらっしゃるじゃないですか」
 そう言うと彼は少し何か考えてから口を開いた。
「あれは、貴方のとはまた違うと思いますよ」
 彼はどちらのことを思い浮かべたのだろうか?目を細めて楽しそうに言った。
「どこがよ。あれに比べたらあたしなんて可愛いものですわ。そもそも芸術家が変わり者で何か悪くって?」
「芸術家?」
「えぇ。絵描きなの」
「へぇ。それは是非私も描いていただきたいですねぇ」
 口止め料とでも言うつもりか?
「えぇ。喜んで。ゼクセ1の色男を描けるなんて光栄ですわ」
 不敵な笑みを浮かべて優雅に答えてみせると、彼は鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をした。あたしの知っている情報ではパーシヴァル様はゼクセ1のプレイボーイなはずだけれど?彼の表情はあまりにも意外すぎた。
「で?貴方はいつもここで何をしてるんです?」
 いつも、と言った彼の言葉に目を見張る。いつも見られていたのか。あたしが彼を眺めて面白がっていたように。
「イメージを膨らましに、ね」
 しかしここの所頻繁じゃないか、と彼が言いたそうにしているのを見て言われる前に先に言ってしまう。
「スランプなの」
 結構気が滅入っていたはずなのにその言葉は思いのほかさらりと出てきた。
貴方のせいだとは、口が裂けても言うものか。
「ならば…」
 そう言うと彼は立ち上がり、一つ伸びをするとこちらに視線を向けて言った。
「少し、私に付き合ってくれませんか?」
 それは楽しそう、というよりは面白そうといった響きだった。







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読んでくださってありがとうございました!
水の色。どんなに似せても自然にしかない色だと思います。
自然体が一番という想いを込めて。





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