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さやな

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幻想水滸伝3パーシヴァル夢 【  抱 き 枕 (9)  】

前回の続きでパーシヴァルの昔話。士官学校時代にヒロインと再会した際の苦悩と懺悔。



 ――そんなお前の思い込みが彼女を苦しめているんじゃないのか?



【  抱 き 枕 (1)  】【  抱 き 枕 (2)  】【  抱 き 枕 (3)  】【  抱 き 枕 (4)  】【  抱 き 枕 (5)  】 【  抱 き 枕 (6)  】【  抱 き 枕 (7)  】【  抱 き 枕 (8)  】
 








 【  抱 き 枕 (9)  】















 ガラハドとペリーズに見初められ騎士への道が開けたパーシヴァルは士官学校へ通うためビネデルゼクセに数年滞在することになる。パーシヴァルとボルスが出会ったのもこの頃だ。平民出身・兵卒上がりという彼の経歴は貴族の子弟ばかりが集まる士官学校に於いて異質な存在だった。如何せん、何をしても目立ってしまう。しかしそれは彼にとって良いプレッシャーとなった。剣の腕はそれなりに自信があった。何より既に命を賭けて兵士として実践を踏んでいるのだ。温室育ちのお坊ちゃまなどに負けては彼の矜持が許さない。そんな自尊心が火を付けて彼は一層鍛錬に励んだ。そして自分に欠けているもの――教養を必死になって身につけた。あっという間に剣術では周りから目を瞠られるほどになり、友人も徐々に増え始めた。とはいえ、陰口や陰湿な苛めを仕掛けてくる輩も居たがそこは感情を制することで随分回避出来た。
 気が付けば士官学校で勉学に励む生活も随分楽しくなってきていた頃だった。会わせたい人物がいるとペリーズがある貴族のお屋敷にパーシヴァルを連れて行った。
 結構な時間応接間で待たされた気がする。もったいぶって屋敷の主人は現れた。扉が開いた瞬間、パーシヴァルは驚愕した。現れたのはあの憎い後継人だったのだ。忌々しい記憶が走馬灯のように脳裏を過ぎていく。まともな挨拶も出来ないくらいに目を瞠ったまま彼の一挙一動作を見守った。忘れるはずもなかった。それは相手にしても同じだった。冷徹なあの人が一瞬動揺を見せたのだ。  貴族然とした優美な動作ゆったりとソファに腰を下ろすと彼は鋭い視線で嘲った。
「糞ガキが立派になったもんだな」
 その言葉がエコーのように頭の中を反響した。全身が冷え切りそうな思いだった。
昔からそうだ。あの人はすべてのものを見下したように見透かした目で見る。
 その日結局パーシヴァルは一言も発することなく彼の屋敷を後にした。ペリーズと彼の談笑などひとつも頭に入ってこない。あの人は彼を構う事などなく、事情を知っていたペリーズも彼に話を振ることはなく結局早々に場を辞した。
 帰り道にペリーズが悪かった、今日の事は忘れろと言ったが次に思いも寄らぬ事を言われた。
「あいつがなんと言おうと俺はお前を応援するぜ」
 応援されたところでもう終わってしまった事なのだ。パーシヴァルは曖昧に返事をする事しか出来なかった。
 とろこが次の日彼の遣いから手紙が届いた。そこには次の休みに屋敷に来るようにと書いてあったのだ。彼は当時、ゼクセンではそれなりの権力者で先のことを考えてもこれ以上彼の反感を買うことは得策ではない。出来れば二度とあの屋敷には訪れたくない気持ちだったが行かないわけにはいかない。
 行ってみれば敵に塩を送るのは好きじゃないとか何とか言いながら現れたあの人は彼女の手を引いていた。
 今の彼女からは想像も付かない、死んだ眼をしていた。青白い顔して、悲しみに押しつぶされて今にも倒れてしまいそうだった。



「彼女を人形のように変えてしまったのは俺なんだ。あの時俺があいつを唆したりしなければ……。いつだって俺はあいつの事を想ってのことのはずが、俺は自分の欲望をただ押し付けていただけだ。その時やっと、その事に気づいたんだ。……逃げ出したかった、けど、俺を見た瞬間に嬉しそうに飛びついてきたあいつを突き放すことはさらにできなかった」
 パーシヴァルは終始彼女の名前をあまり口にしなかった。ボルスが話を理解し難かったのはそのせいだった。やっとのことでボルスは彼の言う彼女というのがリンのことだと理解した。
 昔の彼女はボルスも知っている。士官学校に入るまで剣術や勉学を良く共にしていたのだ。病弱だとか、人見知りだとか、会う前に聞き及んでいた噂から当時はあまり気にしていなかったが。昔から閉じこもりがちだった彼女が何か心に闇を抱えていることはなんとなく気づいていた。食が細いこと、時々青白い顔をしていること、時々突然倒れること……もっとも再会した彼女からは昔大病を患ったと聞いていたが。
「あいつさ、昔から眠れないって言っては夜中に俺んちに忍び込んでは俺を抱き枕のようにして寝るんだ。寝られないって言いながら5秒で寝付くんだよ。……ハルモニアへ旅立つ少し前に、ゼクセにいらしていたガラハド様のお屋敷に呼ばれたんだ。通された部屋にはリンが居た。今夜はリンと一緒に居てあげなさいってさ。……互いにずっと一緒に居られないことはもう既にわかっていたからどこか割り切って最後の晩を楽しんでいたはずなんだ。それが、だ。眠そうにしてたくせに。ベッドに入った後5秒で寝付くやつが……しばらくしたら震えてるんだ。潤んだ眼でこっちを見つめているんだ。抱きしめてあげなくちゃいけない気がして……しかし抱きしめたら抱きしめたで直ぐに理性なんて吹っ飛んでしまったんだ。彼女の笑顔を奪った俺に、彼女と過ごすことを許されただけでも俺は救われた気になっていた。時折、彼女のうたた寝に付き合うために昔のように抱き枕になりに行く。それだけで俺は幸せだった……。それ以上のことを求めようなんて思わなかった。彼女が俺に触れることは許されても、俺が彼女に触れることは許されたわけではない。わかっていたのに……。
俺は……、愛してるのに……俺はいつもあの娘を傷つける」



 ボルスには結局パーシヴァルが何を言いたかったのかよくわからない。しかし、ひとつだけ断定出来ることがあった。別にあの娘はお前のこと恨むとかしてないと思うのだ。なぜなら、知っているのだ。彼女がどんな顔してパーシヴァルの事を見つめていたか。
「お前さ、時々妙に頭固いよなぁ」
 ボルスは馬鹿馬鹿しそうにそう言ったがパーシヴァルの耳にそれは入って来ない。全く、厄介な奴だ、とボルスは思った。俺は……と言ったパーシヴァルが続けようとした言葉をボルスが抑揚なく代弁した。
「自分を許せない。彼女の傍にはいられない……か?」
 図星を指されたパーシヴァルの顔は片手で覆われていて見えなかったが酷い顔をしているに違いなかった。
「彼女はたぶん……それからずっと眠れない夜を過ごしているんだと思う」
 ボルスの言いたいことはパーシヴァルには伝わっていない。

 彼女が苦しんでいるとすれば、そんなお前の思い込みが彼女を苦しめているんじゃないか?

 そう教えてあげたいのだが、何故か皆まで言うのは憚られた。パーシヴァルが欲しい言葉は違うもののような気がしたのだ。しかしそれ以上に掛ける言葉をボルスは見つけられなかった。



 翌日、書類の提出のため団長室を訪れたボルスは尊敬すべき騎士団長の何とも言えない顔を目撃する。寝不足のだるさなどふっとんでしまうほど珍しい光景だった。あっけに取られつつもさりげなく尋ねてみると何とも歯切れの悪い返答が返ってきた。
「……いや、パーシヴァルの奴が妙に……気持ち悪い」
 大らかなこの団長が滅多なことで顔色を変えるとこなどみたことない。
「あいつ、なにかあったのか?」
「えーと、あー、なんか昨日壊れてましたが」
 昨晩のことを思い出すとうんざりした。
 その様子にガラハドは面倒くさそうに、ばれたか、と呟いた。何しろふたりとも目立つのだ。同じ場所で働いていてばれないようにするほうが難しい。
「迷惑かけたな」
「いえ。いつものことです。負い目があるとか彼女のそばに自分は居てはいけないとかなんとか言ってましたが」
「あれはなぁ、普段あんなくせに本気の相手には天邪鬼だったり頭が固かったり……全く面倒くさい男だ」



 そしてその面倒くさい男は数日後、さらに面倒くさい男に捕まって酒を飲み交わす羽目となる
















*******

読んでくださってありがとうございます!

ボルス~!君視点になると軽快さが増すのは良いけれど馬鹿っぽくなる気がする。。。
次回パーシヴァルさんは面倒くさいあの人と飲むらしいです。きっとお説教です。ペリーズは面倒見が良さそうです。
と突然なってしまったため、次回まではちょこっと時間がかかるかもしれません。

前回と今回で一つながりですが、何度推敲しても――というより書き直しに近い――納得いかず大変でした。
士官学校時代のパーシヴァルは実技ではきっと良い成績を納めていたのではないかと思います。たとえ剣技が自己流に近かったとしても、スマートな彼ならあっという間に型を飲み込んで行きそう。そこらへんは柔軟そう。なんでもそうですが実践経験があるかないかで相当違ってきますもんね。でも他の面では一からが多いから卒業には結構時間がかかっている、とう妄想してます。

よろしければ引き続きお付き合いください。
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