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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
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幻想水滸伝3パーシヴァル夢 【  抱 き 枕 (10)  】

引き続き、パーシヴァル側のお話。ペリーズの説教と二日酔いの代償。



 ……相変わらず思い込み激しい奴、
 幾度と無く背中を押してやってもびくともしやしない――
 


【  抱 き 枕 (1)  】【  抱 き 枕 (2)  】【  抱 き 枕 (3)  】【  抱 き 枕 (4)  】【  抱 き 枕 (5)  】 【  抱 き 枕 (6)  】【  抱 き 枕 (7)  】【  抱 き 枕 (8)  】【  抱 き 枕 (9)  】











【  抱 き 枕 (10)  】
















 ……どうにもあの方には色々知られすぎてる気がする。まぁ今更仕方ない事だが。
 
 パーシヴァルは空いた時間を使って城下に繰り出していた。目的の物を購入するために普段行かないような店を覗いて回るがなかなか目ぼしい物は見つからなかった。色々見て回るのはそれなりに楽しい。きっと彼女に渡したら嬉しそうに笑うのだろうなと想像すると思わず頬が緩みそうになる。  そんな浮き足立った気分とは裏腹に、取れない頭痛に米神を押さえた。
 ペリーズに声をかけられた時点で嫌な予感がしたのだ。しかし時すでに遅し。パーシヴァルは有無も言わせぬ勢いで連行された。何が悩み相談だ、とこぼしたくなる。随分夜更けまで付き合わされたものだ。気が付けば深酒になっていた。



「で、な~にをお前はそんな悩んでるわけだ」
「何と言われましても。俺はそんなつもりもないのですが」
「あっそ。んじゃ話し変えるわ。あいつに何したんだよ」
「何もしてませんよ。そもそもそれ程彼女と接触しているわけでもありませんし」
 何もしていないというのは明らかに嘘だった。恐らくペリーズも気づいているが嘘を突き通す。
 ボルスに恥ずかしい姿を見せてしまったのは事実だし、単純なボルスの事だ――突かれてしゃべってしまったとしても納得がいく。ペリーズが何か知っていてもおかしくない。だから、パーシヴァルに“何かあったのか”と聞いてくるならわからなくもない。しかしペリーズの口調は明らかにリンに“何かあった”と言っている。
 “何かあった”としても、彼女が誰かに言うとは思えなかった。
 リンは余程心を許した人間の前でしか感情を露にしない。そしてそれは必ず限界に来たときだ。
「あいつ、随分落ち込んだ顔してたぞ」
 その日パーシヴァルが見かけたリンは至っていつも通りだった。ほっとすると共に少し寂しい気もした。そして自分の我侭さに呆れたものだ。
 ペーリーズの言葉にどきりとしたのがばれたのだろうか。彼は、俺にはわかる、と勝ち誇ったように付け足した。
「……俺の傍に居たくなかったんじゃないですか。どうせ俺は嫌われてますから」
 不貞腐れた体を繕って吐き捨てたパーシヴァルにペリーズは大きな溜息をついた。
「……相変わらず思い込み激しい奴だな」
「そういえばボルスにもそのような事を言われましたね」
 まるで他人事のように言ってのけるパーシヴァルをペリーズは横目にじろりと睨み付ける。そしてグラスの中の酒を煽った。長年の付き合いだから、もはや呆れるまでもない。が、言ってやらねばならない事はある。何度言っても彼には届かなくても言わずにはいられない。



 ――あの娘はお前のこと嫌っちゃいねぇよ。

 昨晩のペリーズの言葉が頭の中を連呼する。何度も何度も繰り返し響く割に彼の心には届いてこない。それは二日酔いの頭痛が邪魔をしているということでもない。今までにも幾度と無くペリーズはパーシヴァルの背中を押してやっていたのに彼はびくともしなかったのだ。
 例え嫌われていなかったとしてもだ。だとしても。自分がこれ以上に近寄れば彼女はきっと苦しむ。 嫌われてはいないかもしれないとわかったけれど、これ以上彼女との距離を縮めるのは憚られた。

 多分このままで俺は幸せなんだ。その幸福まで手放したくない。



「……そうかねぇ。ガキの頃じゃあるまいし。お互いもう分別ある大人だろ。それにあの馬鹿だって俺たちに監視しろってうるさく言ってきたってな、結局本人の目の届かないところで何があったって早々口煩く言ってきやしねぇよ。未だ眼に入れても痛くないくらいに可愛がっているのは事実だがあの娘のことを誰よりも信頼はしているし、憎まれ口叩きながらも昔からお前のこと信用してんだ。だぶんそれは今もかわらねぇ。だからあいつは単身リンをこっちに寄こした。お前らを苦しませようとしてるわけでもなく、お前らの関係が過去のものだと思っているからでもなく、お前が傍にいれば大丈夫だと踏んだからだ。だったら遠慮する必要なんて無いと思うね」
 そんなことはパーシヴァル自身もわかっている。それよりも、自分たちが知らない何かが壁となってリンとの間にはだかっている気がするのだ。その何かがなくならない限り彼女は苦しみ続けるのだろう。昔から彼女は何かに怯えているようだった。
「それでもあの娘は我慢すると思いますよ」
「……だろーなぁ。けどよ、それはそれで必要なことだろ」
 必要な事かもしれない。けれど、無いほうが良いものだとパーシヴァルは思う。そんな重圧を乗り越える達成感よりは程よく保った距離で些細なことで笑ったり怒ったりするリンを見ているほうが良い。
 このままで居てもどうせ直ぐに二人してガタが来ちまうと思うとペリーズは言った。
 
 そうかもしれない。いや、本当にそうだろうか?

「あぁ。少なくともお前はやばいだろ。自分でも本当はわかってんだろ」
「……これくらいどうにもできますよ。それよりも俺はこれ以上踏み込んでしまった時の自分のほうが怖いんですよ。きっとまた自分を押し付けてしまう。恐らく、求め始めたら止まらなくなると思うんです」
「止まらなくていいんじゃねーの?あぁ、その結果駆け落ちとかされちまうとこっちとしてはかなり痛いが。お前ももはやうちにいなくてはならない一人だからなぁ。そんときゃ全力で阻止するけどよ」
「そんな無謀な真似するほどもうお互いに純粋じゃないですよ」
「……なぁ、唯単にだ。俺は傍から見てるとお前らがもどかしく仕方ねぇんだよ。俺らからするとなぁ、お前らがお互い好き合ってんのなんか駄々漏れなんだよ。なのに当の本人たちは嫌われてるとか嫌いとか牽制し合って。いい加減イラつく」
 パーシヴァルは残っていた酒を一気に飲み干すとガタンと勢い良くテーブルの上に置いた。剥きになっている自分に気づいてない。ペリーズがそんな様子をにやにや眺めながら間髪いれずにパーシヴァルのグラスに酒を注ぎ足した。恨みがましい視線を投げるパーシヴァルの目は大分据わってきている。
「……それが言いたかったんですか」
「あぁそうだ。なんか文句あるか」
 大人げも無くむすっとするパーシヴァルにペリーズは余裕たっぷりに言いつける。
「……いえ。それでも俺は、誰が何と言おうと一線置いた関係を崩す気はありませんよ」
「ふん。マゾだな」
「いいえ。エゴです。俺は昔から欲張りなんですよ。そのせいで昔彼女を傷付けてしまったわけですが。それでも俺は自分の我侭を突き通しますよ」
「詭弁だな。それで後に身を滅ぼしても俺は知らねぇぞ」
「どうぞ。なんとでも」



 しかしまさかこれほど飲まされる羽目になるとは思っていなかった。結局ペリーズはリンの話題を引き下げた後も飲み足りないとぐだぐだ色んな話題でパーシヴァルを付き合わせた。酔いも回っていたし半ば自棄になっていた事もあって注がれるままにグラスを空けた。そもそもあの大酒のみと飲み比べる勢いで飲むこと自体が間違っている。
 仕事に関してパーシヴァルは実に合理的であるが、それ以外となると時々妙に手際が悪い時がある。大抵は自身のことに関してだ。よく言えば一途であるが、思い込んだら一辺倒、てこでも動かない。そうして迷惑被るのは周囲の親しい人間だ。それでも彼は考えを変えられない。あらゆる方向から攻めてみても結局たどり着くところは同じ答えになってしまう。そうしてまた悩みこむ。傍目に見れば何度も何度も同じことを繰り返しているだけだ。
 気を遣わせてしまった。これはその応報だ。
 どうせ今日は何をしていても二日酔いの弊害とリンのことが頭を支配して離れそうに無い。彼女の誕生日まではまだ大分日にちがある。探し物は早々に切り上げて部屋に引きこもる方が良いのかもしれない。
 そう結論を出すとパーシヴァルは一目散に帰路に着いた。















*******

読んでくださってありがとうございます!

サドとマゾでは圧倒的にマゾのほうが我侭である。あと夢中になると回り見えなくなるのはマゾの気質らしいです。この作品のパーシヴァルはドMなんだ~、と書き終わってから気づきました。
ヒロインも明らかにSではないはず。ドMカップルかぁ・・・性質が悪いなぁと思わずにはいられません。

よろしければ引き続きお付き合いください。
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