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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
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モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

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幻想水滸伝3パーシヴァル夢 【  抱 き 枕 (13)  】

無意識に気持ちをぶつけて来るヒロインに困惑するパーシヴァル。



 ――嬉しいという意思表示がまるでそれしかないように
    そんな当たり前に抱きつくな!



【  抱 き 枕 (1)  】【  抱 き 枕 (2)  】【  抱 き 枕 (3)  】【  抱 き 枕 (4)  】【  抱 き 枕 (5)  】 【  抱 き 枕 (6)  】【  抱 き 枕 (7)  】【  抱 き 枕 (8)  】【  抱 き 枕 (9)  】【  抱 き 枕 (10)  】【  抱 き 枕 (11)  】【  抱 き 枕 (12)  】








【  抱 き 枕 (13)  】














 部屋の真ん中に置かれた小さめのダイニングテーブルはペリーズが拾ってきたらしい。椅子は二客はあったほうが良いだろう、というのは彼のおせっかいだ。ベッドには枕なのに何故か横ではなく縦に置かれた長枕、これはユーリから貰ったものらしい。部屋の片隅に据付けられた低い作業机は倉庫の同僚たちがそこら辺に転がっていた余った資材で作ってくれたものだという。物も少なく整頓された部屋なのに図面やらでそこだけ乱雑な様子を見せている。
 彼女の部屋は来るたびに変わっていく。コーヒーを入れながらリンは、みんな長居させる気満々なのねぇ、と笑っていたが目は少し翳って見えた。
「そういえばね、ボルスが元気がないって、クリスが」
「ボルスが?あいつもついに恋わずらいか?」
「いつも通りに見えるんだけれどね」
「まぁ、それとなく探りいれてみるか。俺もあいつには色々迷惑掛けているしな」
「仲良しなんだね」
「そうだな~。初めは犬猿の仲だったがな」
 ゆっくりと時間が流れる気がした。なんだかんだで先程までは賑やかだった。リンも楽しそうにはしゃいでいたが、こんな風にまったりと過ごす時の方がとても寛いだ表情になる。こういう雰囲気のほうが彼女には合っているのだろう。
 小さなダイニングテーブルで顔を突き合わせて静かに話す。付かず離れず。この距離はパーシヴァルの気持ちを軽くした。
 どのくらい話して居ただろうか。ゆっくり会話も進むので話題こそ豊富ではないが時間は経っている気がする。これは心地よすぎるとパーシヴァルは思った。
「さて、そろそろ帰るよ」
 玄関に向かう途中で思い出して振り返る。すっかり今日の目的を忘れるところだった。
「手、出して」
「なぁに?」
 小首を傾げつつ言われた通りに手を差し出す。両手なところが可愛らしくて思わず微笑んだ。
「誕生日おめでとう」
 そう言ってパーシヴァルはポケットから取り出した包みをちょこんとリンの手に乗せた。そして、喜ぶ顔を見たかったのにもっと欲張ってしまいそうな気がして、そのままドアノブに手をかける。
「あ、ちょっと待って行かないで。ねぇ、開けても良い?」
 引き止めるリンの手はしっかりパーシヴァルの服を掴んでいて逃げられない。仕方なく、従うが手はドアノブにかけたままだ。振り向きもせずにどうぞと言った。
 彼女が包みを開き終えるのをゆっくり待った。逃げる気がないのがわかったのか、テーブルまで戻りゆっくりと解いている。見なくとも子供の様にはしゃいだ彼女の表情が想像できる。
 直ぐに帰るのは取りやめたものの既に逃げ腰なのでパーシヴァルはその場から動けない。
「わ~!素敵!ありがとうパーシヴァル!」
 と言い終わる頃には予想通りの展開になっていた。

 だから帰ってしまおうと思っていたのだ。

「お、おい、離れろ……」
 目論見は失敗だった。
 パーシヴァルの戸惑いにリンは気づく気配もない。
「ねぇ、付けて」
 そう強請るリンはパーシヴァルに抱きついたまま見上げている。甘えるようなその上目遣いに眩暈がしそうになる。
 自分がこれに弱いのは重々わかっていた。
「……貸してみろ」
 完全に失敗だ。結局この件関しては完全に空回りした。
 一緒に購入したチェーンに指輪を通した状態で包んでもらえば、指輪ではなくそういうものだと思うだろうと思ったのだ。ネックレスくらいなら、他意がない贈り物と彼女も思うと思ったのだ。パーシヴァル自身の気持ちがばれてしまうかどうかはさて置き、こんな風に彼女が自分の気持ちを露にしてくるなんて予想していなかった。
 今の彼女の目を見ればわかる。
 こうなってしまうと、このまま距離を保つには彼女の気持ちは重い。
「えへへっ」
 着けてやるとリンはまた嬉しそうにパーシヴァルに抱きつく。嬉しいという意思表示がまるでそれしかないように。
「だから。抱きつくな」
「どうして?」
 そんな無垢な顔で聞き返さないでほしい。
「どうしてってお前……。そんな目で見るなよ」

 俺はその目にすこぶる弱い。

「……パーシィ?」
 徐にキスをひとつ落とすが続きは躊躇われた。どうしてやめるの?と言わんばかりの疑問系だが既に頬が濡れかかっている。
「……泣くなよ。ばかやろう……」
だって……、と言いつつ涙に気づいたリンは俯く。
「……悪いのはお前だ」
「……じゃあ、もう、泣かない、から……行かないで」
 泣いてるくせに、泣かないと真っ直ぐパーシヴァルを見据えてくる。こうなったらてこでも動かないことは知っていながらパーシヴァルは尋ねてみる。
「意地悪されても?」
「うん」
「意地悪くしか俺は出来ないよ」
「それでいいよ」
「後で文句言っても知らないからな」
「言わないもん……」
 そう言う割りにリンの声はどんどん小さくなって行く。明らかに泣くのを堪えている様子だ。パーシィに触られるのは嫌いじゃないと最後に言った声は消え入りそうだった。
 それはどういう意味でだ?と聞き返したくなる。
代わりに、初めて女のからだに触れるかのように優しく優しく彼女の体をなぞりがら思った。

 あぁ、確かに、限界かも、しれない。

 ペリーズの言葉が頭を過ぎった。
 確かに、我慢する必要なんてないのかもしれない。それでも、タイミングを図る必要は十分ある。
 それが今ではないことははっきりしている。
 


 優しくしても結局彼女は泣くのだ。















*******

読んでくださってありがとうございます!

この後がパーシヴァル視点の冒頭に繋がると思いきや、
ご覧の通りなのでそうではありません。
こうやって無意識にパーシヴァルに甘えちゃうヒロインはずるいですけどそれを許す隙与えてるのは間違いなくパーシヴァルだからお互い様、と本人たちは思っている、けど、一方通行しか見えてないので・・・。
とはいえ、この二人がなかなかくっ付かないのにはもっと別の問題があるのです。

次回からまた視点がヒロインに戻ります。
よろしければ引き続きお付き合いください。
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