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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
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モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

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幻想水滸伝3・パーシヴァル夢 【 I Found a Reason (前) 】

パーシヴァルの副官を務める女の子のお話。

※冒頭のみ多少不健全な描写がありますのでご注意ください






――大嫌いだ
   大嫌いなのに、彼と共にする時間は不思議にも苦痛とは感じない















【 I Found a Reason (前) 】



 











 その男とはもう数年来の付き合いだった。互いにあまり干渉し合わないその関係はとても楽だった。最初はそれなりに楽しかったがその頃は彼に対して抱いていた特別な気持ちなどとっくに捨てていた。私は所詮彼にとっては飾りであり欲望を吐き出す玩具でしかない。それは自分にとっても同じだった。もはや都合の良い相手というだけだ。馬鹿だと思う。だけど止められないのだ。彼から呼び出されると私は時間さえあれば必ず彼のもとへ向かった。ただ彼に抱かれるためだけに。
 場末にあるその宿屋へ踏み込むとぞくりと全身がよだつ。まるで別世界へ来てしまったような悪い夢をみているような妙な感覚を覚えるのだ。窓の少ないその空間は何度来ても慣れルことが出来ない。  
 彼は大抵先に部屋をとって私を待っていた。
 部屋へ一歩はいれば言葉などなしに既に我慢の限界を迎えた男ががっついてくる。その度に、あぁなんでまた来てしまったのだろうと後悔するのだ。されど情事が進むうちにそんな思考は掻き消されそれは満たされた時間へと変わる。
 体を這う彼の指や唇は普段押し殺した私の全てを解放してくれた。何度重なり後悔しても解き放たれた安堵に勝るものはなかったのだ。生きた心地がする。
 全てが終わるとそそくさと服を着込み宿を出る。そこで全ては元通りに戻る。彼は私のものではなくなる瞬間だ。まだ彼に対して特別な気持ちを少しでも抱いていた頃、この瞬間がたまらなく嫌だった。今となっては何も感じない。残るのは日常へ帰らなければならないという多少の倦怠感のみだ。
 その宿では滅多に廊下で人とすれ違うことはない。運が悪い事にその日はたまたま一組のカップルとすれ違った。
 綺麗な女性とその隣に、見覚えがあると思えばそれは常々忌み嫌う我が上官だったのだ。
 密かに彼と目が合った。
 逸らそうにもどうしてか目を逸らすことが出来なかった。
 こちらをじっと見つめていた彼の瞳はひどく冷酷な色をしていたように感じた。歳の離れたカップル。誰が見てもわかるだろう。そういう関係だと。連れの女性は全くそんなことなど気づいていないようだった。彼は彼女の耳元で何やら甘い言葉を囁く片手間、そんな目で私を見ていた。
 私は嫌悪感いっぱいに彼を睨みつけていた。
 彼の女癖に関しては有名なところだ。目の当たりにしたところで驚くことではない。なのに私には妙に彼が汚わらしく映った。自分もそれと変わらぬ汚わらしい行いをしているというのに。特定の一人か多数の誰かか。違うのはそれだけなのだ。なのに必死に自分を肯定し彼を貶そうと内心目まぐるしく感情は動いていた。
 普段冷徹な男の淫らな姿を目の当たりにしたせいなのか、一時期とはいえ憧れだった男の憧れとは相反する姿を目の当たりにしたせいなのか。それとも自分の淫らな一面を目撃された後ろめたさなのか。わからなかった。ただ彼への嫌悪感と憤りでいっぱいだった。
 兎も角それから私は数年来逢瀬を繰り返していたその男に会っていない。彼へ抱いた嫌悪感と共に自分自身も汚らわしいくて仕方なかったのだ。






 大嫌いだ。
 冷静沈着、戦場では疾風のごとく駆け回り冷酷に敵軍を切り裂いてゆく。この男が感情を乱すところなどコンビを組んで何年も経つが一度も見たことがない。
 私が新米騎士だった頃、まだ一端の先輩騎士だった彼にかけられた言葉に救われたことがある。それは直ぐに羨望へ繋がった。彼の部隊へ配属になった時にはどんなに嬉しかったことか。
 そんな昔の自分は馬鹿だったと直ぐに気づいた。
 それ故に殊更彼に嫌悪を抱いてしまう。
 初めて彼の副官に任命された時は自分の悪運を嘆いた。昇進のタイミングは必ず彼と一緒だ。彼が功を立てた時必ず私は隣にいたのだ、当たり前といえば当たり前。昇進のたびに、今度こそと思うが必ず彼の元に置かれてしまう。いつしか彼の片腕と囁かれ、下世話な噂を流されたりもした。そんな下世話な関係など微塵もない。ありたいとも思わない。付き合いも長いから互いのことも良くわかっていた。そう、良くわかっているのだ。私が彼を嫌いなように彼も私の事を快く思ってはいない。それは本人の口から直接聴いた言葉だ。
 その反面どこか互いに心を許しあっている節もある。互いに牽制しあう関係にありつつも関係上共に居る時間も長い。腐れ縁という奴は人の感覚を麻痺させるのだろうか?
 大嫌いなのに、彼と共にする時間は不思議にも苦痛とは感じないのだ。



「――以上です」
 先の戦いの戦後処理を終え報告を済ます。
「ご苦労だった。……遣る瀬無いな」
「貴方が気に病むことではないでしょう?」
「そうだな」
「えぇ、浮かばれません」
 淡々と交わされる会話の中にお互い感情など表に出すことは滅多にない。長居は無用だと思い早々に場を辞そうした。次にこの報告書を提出しなければ全ての処理は終わらない。
「では、失礼します」
 部屋を出ようとした時、呼び止められる。
「今夜、飲みに行かないか」
 それは少し気だるそうな声だった。
「えぇ。お付き合いしますよ」
 私たちは傷つくことを恐れている。目の当たりにしている現実で十分すぎる。それ以上に何かに踏み入れることが怖くてたまらない。
 2人で飲みに行くことは今までにも良くあった。彼のことは嫌いだが彼と飲む酒は嫌いではなかった。今日の仕事はこの報告書を提出してしまえば全て終わりだ。半刻後に城門で落ち合うことを約束して執務室を後にした。
 彼が嫌いな理由はただひとつ。決して感情を表に出さないところ。内心は色々な感情が渦巻いているくせにそれを人に見せようとしない。私にはばれているのに。こんなにも臆病者なのに。認めているのに彼は言わない。こんなにもばればれなのに彼はばれてない振りをする。
 きっと彼は死の淵を彷徨う時ですら本心を押し隠して平然としているのだろう。
 





 戦場においては互いに背中をあずけ合い幾度と無く戦禍を駆け抜けてきた。信頼、はしているのだ。けれどそれとこれとは訳が違った。
 敵の思わぬ伏兵に策が崩れる。何とか切り抜け野営地まで撤退した頃には酷く疲れていたし気も立っていた。こういう時は口を開かないのが一番だった。
 こびり付いた赤いものを丁寧に拭ってゆく。向かいで同じく黙々と鎧の手入れをする男の顔がやけに青白く見えた。妙な胸騒ぎ――といっても全くの杞憂だったが、がして声をかけた。
「少し、お休みになったほうが」
 顔を上げた彼はまず訝しそうに眉を顰めた。
「君のほうこそ、休んでおいたほうが良い」
「私は大丈夫です」
「少なくとも君よりは体力があると自負しているが」
 それはそうだ。男である彼と女のである自分ではそもそも基礎体力というものがまったく違うのだ。ばてるなら私が先に決まっている。
 全く大人気なかった。そもそも私が愚問などしなければそんな言い争うことなど無かったのだ。ただの八つ当たりだ。いつもの彼ならさらりと流すのだろう。彼のほうもまた奴当たる標的としていけ好かない存在である私を選ぶ。大人気ない喧嘩はいつもの冷静さを欠いて気が済むまで続く。周りでおろおろする新米兵士の傍ら馴れたものは止めるだけ無駄だと呆れたように肩をすぼめる。いつだか取っ組み合いにまで発展したことがあったが、さすがにその時は周りが全力で制止に入り後で副団長から特大な雷をいただいた。
「ほう、お二人とも随分体力が余っていらっしゃるようで」
 背後から聞こえる軍師殿の声にぎくりと背筋を震わす。
「兵士たちが怖がるからと、あれほど念を押しておいたはずですが?」
 すいませんというものの、途中で止められると気がすまないというか……心許無い謝罪になる。全く悪びた様子のない二人にサロメ卿は溜息をついた。
「コミュニケーションです」
 にこりと作り笑いを浮かべてそう言っ手のけた彼に開いた口が塞がらなくなる。
 くっと押し殺した笑いを抑えきれずに漏らしたのはサロメ卿だった。
「まぁ、良いでしょう。4半刻後より会議を始めます。……貴方方にはストレス発散も大事なのかもしれませんねぇ」
 可笑しそうに口元を押さえて去っていく彼の背中が小刻みに揺れていた。あれでいて彼はかなり笑い上戸だった。どうにもつぼにはまってしまったらしい。
「気は済みましたか」
「そっちこそ」
「まぁ、大方」
「体調は大丈夫なのか」
「……貴方がそんな人の心配するなんて雨でも降りますか」
「馬鹿言え。目の前で痛み止めを飲んでいたのは君だろう」
「これでも一応女ですから」
「……面倒なものだな」
 それは果たして労いだったのか嫌味だったのか――判断することは出来なかった。
 疲れた頭に浮かんだのはいつぞやの遭遇のことだった。
 その“面倒”な女に自分だって随分恩恵賜っているくせに。
 そんな嫌味な感想を抱いた。そのままそれを口にすればきっと彼は相変わらず捻くれているとか可愛げが無いなどと言うのだろう。
 ……どうせ私は捻くれている。



 昔からそうだ。どうでもよい所で妙に気が合う。先ほどの事といいその晩の事といい……。
 あんなにも憔悴しきっていたのに寝付けないのだ。テントから抜け出し夜風に当たろうと外へ出る。
静かだった。その静けさは憂いを誘う。眠れないのはそういうわけかと一人変に納得し煙草をふかしていた。
 この日もまた幾人もの同僚を亡くした。私はまた生き残ってしまった。それは悲しむべきことなのか?
 どうして突然そんなことを思ってしまったのだろう。この夜の静けさのせいにした。
 ……そんなわけがない。私は生きるために、戦っているのだ。名誉の死などあってたまるか。
そう思い返す。
 夕刻のあの八つ当たりは明らかにそんな否定的な思考を一瞬でも抱いてしまった自分への苛立ちだった。目の前にいた彼の顔にも同じことが書いてあった。だから自分と摩り替えて彼に当たった。  大人気ないのはわかっているのだ。毎度毎度飽きないことだと我ながら思うが、不必要に感じてしまう後ろめたさをひた隠すためにはどうしても必要な行為だった。
 なのにこうして夜眠れなくなるとは……我ながらなんて繊細なのか?
 溜息をつきそうになって慌てて飲み込む。
 人の気配がした。思わず固唾を呑む。眠れなくて夜風にあたりに来ただけでなんらやましいことなどないのだが。見つかった人物によっては少し厄介だった。こんな夜中にお説教など聞きたくないものだ。何というか……フェミニストが多いのだ。女性がこんな時間に夜歩きは良くないとか、こういう時ばかり女扱いをする者が多い。
 近づいてくる気配に直に気づく。警戒する必要もなさそうだと。その人物は私の隣に来るとぴたっと止まった。そうして小さな溜息を漏らした。ポケットから煙草を取り出すと無言で彼に差し出す。何も言わずにそれを一本取った彼にやはり何も言わずに火を差し出す。
 空に一筋大きな星が流れた。あっという声もでる前に一瞬にして消えていく光。思わず隣の男のほうへ視線をやると彼は驚いたような嬉しそうな顔をこちらを向いていた。顔を合わせてくすくす静かに声を立てずに笑いあう。
 笑いが止まる頃には彼は随分すっきりした表情をしていた。
 頭ひとつ分小さい私の頭をぽんと撫でた彼はまるで知らない人に見えた。
 全身に動揺が走った。
「さーて寝るかぁ」
 背中を向けてそう言った後、こちらを振り向いた彼は訝しそうに私を見ていた。
 さーっと風が吹き抜けていった。それと同時に彼の表情はみるみる変わっていった。
 離れかけた距離がみるみる縮まり伸ばされかけた腕を取ろうとして寸でのところで押し留め、ぐっとその両手を握り締めた。彼の顔を見ることは出来なかった。
 去り行く背中にちらりと視線を向けたがその背中はもういつもの彼の背中だった。
 真夏の夜の夢は儚く物悲しい。見なければよかった知らなければ良かったと心底思った。そうしてその晩見たものは脳裏からさっぱり忘れ去ることにした。
 さっぱり忘れた私はこれっぽっちも自分が間違えていたことに気が気付かない。






「彼とまたぶつかりましたか?」
「何故です?」
「随分ご機嫌が悪そうですから」
「いえ、何もありませんよ」
「それならばよろしいのですが」
 噂とは裏腹に彼と私の仲の悪さは有名だった。この通り、軍師殿に心配されてしまうほどに。とはいえ、そもそも皆が言うほど仲が悪いわけではない。ただ、職務中は互いに必要な言葉以外には交わさないだけだ。虫の好かぬことはもちろん年中であるがお互いに無駄だとわかっているから実際には普段ぶつかり合うことなどあまりないのだ。たまにくだらない言い争いはするけれど、本当にたまにだ。それが如何に性質の悪いものかは自覚はある。
 そもそも、喧嘩で言うなら彼とボルス卿のほうが余程年中遣り合っている気がする。あれは見ていて面白いからまぁ良いのか。
 我が騎士団では二人のコンビネーションを主体とした戦闘を行なう。コンビは夫婦のようなものだとは良く言ったものだ。彼が機嫌の悪い時は大抵私も機嫌が悪いらしい。そんな時に運悪く居合わせたものは随分居心地が悪い思いをするそうな。良く団長や副団長には熟年夫婦の冷戦だとかと茶化される。
 サロメ殿は本当に心配性だ。苦笑せずにはいられない。
「本当ですよ。今日だってこれから一緒に飲みに行く予定ですし」
「そうですか。宜しく頼みますよ」
 宜しくってなんだよと内心突っ込みつつしっかり返事を返す。
 さしずめ夫の手綱は妻がしっかり引いとけってことか。まあ確かにあの人は放っておくと碌な行いをしないのは確かだ。
 サロメ殿にまで茶化されてしまうとはなぁと心の中でごちながら廊下を歩いていると後ろから声をかけられる。ボルス卿とレオ卿だった。
「機嫌悪そうだなぁ」
 またそんなことを言われる。
「そんなことありませんよ」
 そう答えると二人は決まって苦笑いを浮かべた。
「まぁ、いつものことだな」
「あぁ、あいつもそうだった」
 戦後処理中の私と彼はいつも機嫌が悪く見えるらしい。
 別に機嫌が悪いわけではない。惜しくも散ってゆく同胞の命を思うと居た堪れない。彼らは彼らの使命を果敢に全うした結果ゆえの誉れ高き最期を迎えたのだ。悔やんだりするのは失礼だと理解しているからこそ物悲しさがいつも付きまとう。それを押し隠した結果機嫌が悪いと称される。彼も私も。
 もはや彼らの中では私と彼はひと括りなのだ。全く迷惑な話だ。
「あ、メリーさん」
 また声をかけられる。今度は先手を取ってやる。
「ルイス。お疲れ様。機嫌悪そうとかいう挨拶ならいりませんよ」
「あはは、読まれちゃいましたか」
「もう散々いろんな人に言われたもの」
「ホント、もう挨拶ですよね」
「そんな挨拶いりません!っとごめん急ぐんだ」
 先程サロメ卿のところで少し話し込んでしまったため時間がないのだ。あの人は時間にうるさい。待たせたら確実に涼しい顔で嫌味を言われる。
 急ぎで部屋に戻り着替えて城門へ向かった。















*******

読んでくださってありがとうございました!

タイトルは同名の曲からそのまんま借りました。キャット・ウーマンがカバーしているその曲をひたすら聴きながら書いたお話です。って言っても、原曲も知らないしさっぱり歌詞の内容もわかっていないので歌詞とは全くリンクしてません。
パーシィが正真正銘女たらしである話は初な気がします。ちょびっといつもと違うパーシィを目標に書いてみましたが結局へたれな人だとすぐばれちゃいました……。

――っと、どんな流れに進んで行くかはバレバレな気もしますがそれだけにあんま色々書いていると本当にネタバレしてしまいそうなのでこの辺で。
ではでは、お話は後編に続きます。
よろしければ引き続きお付き合いください。
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