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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
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幻想水滸伝3・パークリ 【  Dear stubborn sweetheart 】

明けましておめでとうございます!
面白いモノを書けるように精進しますので今年もどうぞ宜しくお願いします。


原作エンド後のパーシヴァルとクリスのお話です。お楽しみください。











【  Dear stubborn sweetheart 】













 雲行きは少し怪しかった。空を見上げると、どんよりと重い雲が空を覆っている。
(さて、さっさと行くとするか)
 凭れていた大木から背を離すとパーシヴァルはぐっと伸びをした。
 荷台を引っ張っている馬が「ひひ~ん!」と唸る。急かされるままに立ち上がると、よしよしと撫でてやる。
(あいつも元気に……いや、良い子にしていれば良いが)
 あの娘は気性の荒い方ではない。どちらかといえば普段は大人しくしとやかだ。人間の女だったらさぞかし良い女だろうなとパーシヴァルは思っている。しかし、きっと――。
 頑なに主が代わるのを拒んで、自分を待ち続けている気がしないでもない。
 そんなところは誰かさんと良く似ている。てこでも動かない頑固もの。
 そうか俺はああいうタイプに弱いんだな、と妙に納得しながらパーシヴァルは道中を急ぐことにした。






 パーシヴァルが村の遣いでビネデルゼクセに行くことはたまにあったが、ブラス城下へ行くことは滅多にない。ゼクセン連邦の流通拠点は首都のビネデルゼクセであるから、当たり前といえば当たり前である。だから彼はイクセに戻って以来、美人の元相棒に会うことはないし、彼女に似たところのある彼女に会うことも滅多にない。最も、人間の方の彼女は忙しすぎて会おうと思ってもなかなか会うことも出来ないだろう。
 しかし運がよければビネデルゼクセで会うことが出来た。
 あの大きな戦いの後、ゼクセン騎士団長は前にも増して式典やら何やらと賑やかな場へ引っ張り出される機会が多くなったのだ。煙たがられるのは承知の上で評議会側に強く出た結果生まれた譲歩だ。
 式典やパレードにお飾りのように借り出されても、もはやクリスは嫌だとは思わなくなった。少し前までは、“銀の乙女”と謳われることがあんなにも苦痛だったのに、今はへっちゃらだ。肩に力が入ることも無ければ、柔らかく微笑みを浮かべることすら容易かった。
 理由は簡単。肩の力の抜き方を知ったからだ。
 クリスは時々、いつぞやのルシアの言葉を思い出しては肩をすくめたくなる。
 夜、イクセから届いた手紙を読んでいると自然とリラックスできた。相変わらずだなぁと安心すると、何だかとても良く眠れた。
 クリスが人々に向ける微笑は明らかに前とは変わっていた。少し前まではその頑なさ故に“強さ”が目立っていたが、最近では女神のように慈悲深いと評判だったりする。
 その日、パーシヴァルは予定よりも早くビネデルゼクセに到着したため、暫し時間を潰すべくぶらぶらしていた。通りはやたらと賑やかだった。バザーのおばちゃんに尋ねてみると、まるで我が娘のことを語るような仕草で「クリス様だよ」と言った。そう言えば何かの式典があると手紙に書いてあったと思い出した。今夜会う楽しみが先行して、クリスがビネデルゼクセに滞在している理由はすっかり頭の中から抜けていた。
 先日ブラス城から届いた手紙には、今年はいつもよりも落ち着いた年末になりそうだと書かれていた。式典に参加するついでに幾日か休暇を取らされる(もちろんクリスに拒否権はない)ことになったと。てっきりパーシヴァルは年明け早々に何かしらの式典があるのだと思っていた。あと数日もすれば新年というこの忙しい暮れに、ご苦労なことだ。
 後方から人集りを眺めていると、その向こうに見知った顔が現れた。垣間見えたのは一瞬のことだ。その表情を誇らしく思った。そして安心した。
 彼女自身が気づいたのは最近のようだが、パーシヴァルはずっと知っていたことがある。
 それは――いつだって彼女は彼の前で隙だらけだったということ。気づいていなかったのだから、それは全くの無意識だ。自分が彼女にとってそんな相手だということ。
 自分だけじゃない。他の六騎士たちや従騎士のルイスなど、数は少ないが彼女が心を許している節のある人間はいたのに、彼女はてんでそんな自分に気づかないのだ。
 彼女がそれに気づいた時――それが彼女が一皮剥ける瞬間だと思っていた。だから先程見た彼女が殊更誇らしい。
 享受すること。甘んずるのでもなく妥協でもなく。大切な、特別な誰かが居ないと、それはきっとわかり辛い。何故世間は彼女に期待するのか。それは重荷などではなくて力に代わった。そんな顔をしていた。
 でもどうせ、今晩はネガティブにお悩み相談会になるんだろうな。そう思ってパーシヴァルは人知れず苦笑いを浮かべた。そんなもので良ければいくらでも聞いてやれる。聞くだけで良いのだから。そのくらいでちょうど良い。騎士団長様だろうが真の紋章の継承者であろうが、人の子には変わりないのだ。
「あまり皆に心配を掛けてはいけませんよ」
「これでも最近は自重しているつもりなんだが」
 そんなご挨拶から久方ぶりの逢瀬は始まった。
 前に会ったのは半年ほど前だ。大人の半年など大した変化もないから特に感慨深いものもない。あるのは安心感と開放感。手紙を読んでいるだけでもまるで目の前で話しているような感覚があった。それでも実際に顔を見るとやっぱりほっとする。
 変わらない。何も変わらない。
 いつものようにおしゃべりをして、少しだけ触れ合って。自分の居場所を確認する。必要なことはそれだけだ。
 久しぶりなんて感覚がないから“久しぶり”なんていう挨拶は必要ない。言ってしまったら、長く一緒に居られない時間に淋しさが募って……今目の前に居るのに物悲しくなってしまいそうだった。
 そういえば、と思い出したように切り出したクリスにパーシヴァルはぎくりとした。クリスのじと目がいじらしそうにパーシヴァルを捉えている。何かやらかしたっけ、俺?咄嗟に色々考えてみるも思いつかない。もちろん彼は何もやらかしてはいない。
「今日、居ただろ」
 別に見られて困るものでもないだろうに。しかしクリスにしてみたらパーシヴァルに見られるのは少し気恥ずかしいのだ。
 騎士団長としての顔を彼に見せなくなってから随分経つ。いつか必要になれば彼は騎士団へ戻ってくると約束していて、その時が来ればまた騎士団長としての顔を彼に見せることになる。そんな時がこない事にこしたことはないけれど、その時がくればたぶん何てことはないのだろう。でも今は、そうじゃないから。歓声を上げる群衆の向こうに彼女が見ているものを彼に知られてしまうのは気恥ずかしい。いや、きっとわかってるのだろうと思うと気恥ずかしいのだ。
「素敵でしたよ?」
 ばっとクリスの顔が赤くなる。そうしてまるで苛められたかのような表情。睨んでないから怒ってはいない。唯の照れ隠しだ。
 からかっているわけではなく、素直に思ったままを言っただけなのに。そんな反応をされると、逆に苛めたくなる。が、完全に拗ねられても厄介なのでパーシヴァルは押し留まった。こういうところは本当に変わらず頑固だ。クリスは照れ隠しのために断固として素直にならない。
 でも一応言ってみる。が、あくまで消極的に。
「褒められた時は素直に喜ぶ方が女の子らしい」
 独り言のようにぽつりと呟やくと、やはり独り言のような小さな返事が返って来た。
「喜んで欲しいわけか」
 喜んで欲しいと言えば一応喜んで見せてくれるのだろう。どんな風に喜ぶかは想像が付くが折角だから――というより面白いからパーシヴァルは「はい」と言った。
 クリスは相変わらず拗ねたままでそっぽを向いている。想像通り過ぎてパーシヴァルは笑いが込み上げそうになった。
「……ありがとう」
 それは本当に喜んでいるのかと突っ込みたくなるような“ありがとう”だったけれど、クリス本人は喜んでいるつもりらしいから良しとした。あまりからかい過ぎても後が怖いことだ。






 雲行きは一層怪しくなっている。この分だと新年は雪掻きから始まる羽目になりそうだと思うと今からげっそりとする。
 共に年越しとはならなかったけれど、相変わらずなクリスの顔が見れたから取り敢えずは今年に思い残すことはない。
 帰り際にクリスから渡された小包とカードが懐で眠っている。早く開けたいのに年が明けてから開けるようにと彼女に念を押されていた。逸る気持ちを押さえることなく帰路を急いだ。
 そんな楽しみがあれば、年明け早々雪掻きになったって何てことはない。
 
『明けましておめでとう!今年も宜しくな』

 甘い言葉のひとつもない簡素な文面にクリスらしさを感じながら幸せな気分に浸るまであと半日。いつもは長い手紙がやってくるのに、こういう時には簡潔に必要なことしか書かないのは照れ隠し。
 半日もすれば新しい年がやってくる。
 傍に居なくてもとても近くに感じながら過ごす一年がまた始まる。













*******

読んでくださってありがとうございました!

相も変わらずタイトルセンスなくてすいません。

ばばっと書いた推敲など殆んどなしの行き当たりばったりなSS。
しかも正月ネタ予定が年越しネタに(涙)
最後に“おめでとう”と言わせたくて、結局いつも正月のはずが年越しに……。
書いてる途中で年越えてえらく焦りました。でも気に入ったので強行突破に踏み切りました。
正月ネタです!と言い切ってみる。
突っ込みどころ満載は覚悟の上……
書いてる途中に書きたいことが山ほど出てきて困りました。
正月関係ないことばかりが浮かぶ浮かぶ。
長くなりかけて無理やり終わりにしてしまった結果がこれです。
そのうち書き直せたら良いなぁ。。。

久々にまともなパークリ書いたらとても楽しかったです。


ところで――
一週間くらい前に書いた近況報告が下書きのままだったことに今気づきました。。。


更新頻度は相変わらず落ちまくりですが、どうぞ今年もよろしくお願いします!
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