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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
我が家は恐ろしく寒い
ということは実は寒さに強いのかもしれません

モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

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ジルオール・レムオン×ミイス主 【 雛鳥と大空と鳥かご (1) 】

レムオンとの出会い。神官の娘は突然大貴族の令嬢となる。
ミイス主の名前はアリスです。


 ――振り返ると怖くて足が竦みそうになるから先のことしか見つめられなくなった。
    彼女にとって彼は一筋の光。
    彼女には居場所が、存在意義が出来るだけたくさん必要だった。






【 雛鳥と大空と鳥かご (1) 】















 その少女は物柔らかでおっとりとした印象の強い娘であったが、大変利発でもあった。ただ、少し前から彼女は人知れず憂いと影を潜ませているが、それ故周りに与える印象は十分お日様のように暖かかった。
 少女は広い世界を知ってまだ日が浅い。
 少女の目に映るものは全てが目新しく映り、その度に彼女は酷く感動を覚えた。
 誰にも告げたくないその憂いを埋めるために少女は常に前向きで、まるで隙間を埋めるように様々なことへ目を向け足を運んだ。まるで立ち止まることなど知らぬように。自分以外の何かへ迷うことなく手を差し出すその様はまるで女神のように他人には映るようだった。
 やがて少女はひとりの男と出会い、すぐにその男で彼女の心は占め始めた。
 掌に納まるほどの小さな幸せに少しだけ拭われた憂いは更なる憂いを運び、寧ろ自分から踏み込んだ不毛な連鎖に少女は次第にどっぷり身を委ね始める。もう戻れないと彼女が知った時、彼女は気づいた。最初から戻る気などなかったのだと。
 その連鎖は少女を拒むことはしない。ただ、彼女が加わったことで鎖が綺麗に千切れる時が何れ来るかもしれないと鎖に繋がれた誰かが祈った。
 少女には無限の可能性がある。
 何かが変われば良い。どんな形でも構わないから何かが変われば良いと悲しい連鎖の中の男たちと女たちは知らずうちに願っていた。
 そんな身勝手な希望を密かに少女に押し付けて、誰も気付かない。
 光と闇は表裏一体。いつだって闇はそこで待っている。



 いつの日か、少女から女へと変わった頃、彼女は愛する男に言うのだろう。
 ――あの時、確かに貴方は闇に包まれていて、だからきっとその時のあたしは貴方にとっては光だった。でも、あたしの中にはいつだって闇が住んでいて、だからあたしにとっては貴方はいつだって光そのものなの。
 どちらでも良かった。闇に落ちていようと光に包まれていようと。そこにその人が居てくれれば、それだけで生きて行く意味になる。だからどんなに痛くても苦しくても抱きしめた手を緩めようとは思わなかった。






「大丈夫かなぁ……」
 吟遊詩人、レルラ=ロントンの呟きは小さいながら綺麗に良く響いた。ここ数日の冒険をどんな詩にしようかと頬杖をついて考えていたが、結末がまだ見えていないことにはどうにも纏まらない。
 ここロストールに着いてすぐに自分たちのリーダーであるアリスが雇い主に連れられて王城へ向かってからもう随分経つ。残ったメンバーはそれぞれ分担して所用を済ませ、手が空くとまちまちに酒場に集まっていた。元々、レルラ以外は酒場の雰囲気は好むがおしゃべりは好まない。何となく同じテーブルを囲んでいるが、デルガドもセラもそれぞれの時間を過ごしている。
 もちろん、レルラの呟きに返事も無い。が、心中は皆同じことを思っているだろう。
 遡る事数日前、ロストールとノーブルを繋ぐ街道で身なりの良い明らかに貴族だと思しき男の助太刀に入ったのはほぼリーダーであるアリスの独断だった。結果的にチームは急遽依頼を請け負う事となった。
丁度彼らは請負中の依頼である魔物退治を終えてロストールのギルドに報告へ戻る最中だった。今回のこの依頼、普段なら自分たちよりもさらに駆け出しの冒険者に回すような難易度の低いものだった。たまたま立て込んでいて適当な稼動要員が捕まらず、かといってこの手の依頼は時間を置くわけにもいかない。依頼のランクが下がればもちろん報酬も下がるわけで、ギルドの主人は申し訳無さそうに話を持ちかけた。嫌な顔ひとつせずにアリスたちは引き受けたが、飛んだオマケがくっ付いて来たものだ。といっても、勝手にくっ付いて来た訳でもなく、飛び込んだのはこちらのわけだが。
 魔物退治はレルラにとって大した冒険でもなくて、だから新しい依頼は棚からぼた餅的に興味を惹かれるものだったから大いに心が沸いた。しかしデルガドはさて置き、セラが反対しなかったのは少々以外であった。余計な事に首を突っ込んでる暇も甲斐性もあるのかと絶対反対すると思っていたのだ。まぁ、そんな意外性も観察していて楽しいものだ。と、レルラは内心心配で堪らないであろうにいつもの涼しげな顔でいるセラをこっそり見遣って微笑んだ。
 その大貴族の男は多少ロストールについて詳しければ名前だけは誰だって知ってる――エリエナイ候レムオン・リューガであった。彼の領地でもあるノーブルまで護衛をし、さらにノーブルの騒動を治めるのを手伝った。そこでお役御免かと思いきや、更にロストールまでの護衛を突きつけられた。そして漸くロストールに到着となり、今度こそ任務完了かと思ったがそう甘くなかった。
元々受けていた依頼はそれ程消耗を強いるものではなかったから、みんな力は有り余っていた。セラが反対しなかったのもそういうわけだ。最も、多少口煩いくらいにいつもならメンバーの中のストッパー役であるあずの彼は実のところ時々驚くほど思慮が浅い面がある。レルラが意外性と称したように未だ誰も気付いていないが。
 ロストールに到着し、流石にこれだけ怒涛のように扱使われれば消耗もした。
 漸く解放されると思っていたのに雇い主はまだ終わりじゃないと言ってのけた。顔を背けてげっそりする数人の手前、雇い主の男は彼らの中からアリスだけを連れ立って歩き出した。
 去る直前に彼は、報酬は全て上手く行ってからだと言った。
 何のために彼がアリスを連れて行ったのかはレルラにはわからなかったが、彼女が慣れない貴族階級の人間相手にボロを出してなければ良いけれど――そんなことを考えているうちにやっとアリスが戻ってきた。もうすっかり日も落ちている。
 いつも通りの姿に皆が安堵する。なんとなくだ。あの貴族はいけ好かない。そもそも、ここロストールでは貴族などという輩にろくなやつはいない。揃ってそんな心配を抱いていたから。
「あのね?みんなに話しておかなきゃいけないことがあるのだけれど」
 こういう話の切り出し方は大抵良い話じゃない。ならば心の準備も必要だし、話の内容によっては場所も選ぶ必要がある。
 そんな申し訳無さそうに切り出されると嫌な予感がしてしまう。レルラが咄嗟に身構えた。
「とりあえず、宿に移動しよっか」
 そのアリスの提案に、良くない話決定だと全員が思った。そして、やはり大っぴらにも出来ない話なのだろう。
 セラが米神を押さえて黙り込んでいる。
 この女、いったい今度は何をやらかしたんだ!そんな彼の心の叫びが聞こえてくるようだとデルガドは笑い出しそうになるのを必死に我慢していた。もはや彼女の規格外は慣れたものだ。
 宿屋の一室に4人揃うと、アリスは申し訳なさそうに切り出したが、まずは手に入れた破格の報酬の話だった。
その次に言い難そうに事の顛末を語った。
 つい数時間前から自分はノーブル伯アリス・リューガとなってしまったと。
 沈黙が流れる。皆まちまちの表情をしているがどこから何を突っ込んでいいものか。言葉が見つからないのだ。
 それからアリスはその経過、みんなと別れてから何があったのかを語り出した。
 レムオンに宮廷へ連れて行かれたこと、一連の騒ぎは彼の政敵である王妃エリスによる陰謀だったこと、そうしてそこで――レムオンがとある事実を欺くためにアリスが腹違いの妹だとでっち上げたことを。
「うわ~!アリスが貴族様!?良いねぇ良いねぇ!ドラマチック!さすがアリス!」
「まったくおぬしには毎度驚かされるが……貴族とはのぉ。大丈夫なのか」
 事情が分かれば言葉を失くすほどでもない、らしかった。レルラとデカルトがまちまちの感想を述べる。レルラに至っては想像以上の劇的展開に上機嫌だ。
 しかしそんな中、セラだけは無言だった。そんなセラの様子をアリスは気遣わしそうに窺った。
「あ、あのね?セラ……」
 まるで興味の無さそうな涼しい顔をされては逆に落ち着かない。
「勝手にしろ。こちらに迷惑さえ掛けなければ何も構わん」
 その言葉にアリスは拍子抜けした。また馬鹿だの考え無しだの酷いことを言われる覚悟をしていたのだ。
 しかし拍子抜けすると共にアリスには何とも腑に落ちない部分もあった。何が、というわけではないのだが……どこかセラの様子がおかしいような気もしたのだ。
 とはいえ、その時アリスにはその正体を突き止める時間などなかった。仕方なく皆に別れを告げて宿を出る。報告したら直ぐに邸に戻るという約束だ。



「遅い」
 応接間でアリスを待ち構えていた青年は特に苛々した様子も見せず、語調厳しくただ冷酷にそう告げた。アリスはおずおずと申し訳ありませんと頭を下げた。
 自分も兄も薄い金髪だった。目の前の青年は綺麗な金髪の持ち主で少しだけ色が似ているなとアリスは思った。
「俺は忙しいんだ。要らん手間を取らせるな」
 先ほどから兄となった青年から掛けられる厳しい言葉にアリスがしょんぼりしていると館の執事であるセバスチャンが彼女に席を促した。言われるままに彼女はソファーに腰を下ろす。そして直ぐに香りの良い紅茶が目の前に出された。その香りをかいでいるとアリスは少し気分が落ち着いてきた気がした。
 新しく出来た兄はえらく冷酷で冷徹、合理主義のようだった。
 間違いなくアリスが今まで相容れることなかった人種だ。だというのに先程まで一緒に居た仲間ほど自分は彼に嫌悪感を抱いていない。
 アリスは聞かれるがままに自分のことをいろいろ話した。旅のこと、冒険者になる前の事、失ってしまった故郷のこと、家族のこと――。
 彼は冷たいけれど自分の話をきちんと聴いてくれた。それがアリスには嬉しくて仕方なかった。レムオンは彼女が話す間一寸気を逸らすことなく彼女の話に聞き入っていた。それが、アリスが彼に好感を抱いた全てだった。きっとそんな風にきちんと聴いてもらえなければとても堪えられそうもない話ばかりをたくさんした。レムオンが一切の感情を浮かべないお陰で、アリスは自分でも驚くほど冷静に話が出来た。
 話が終わるとレムオンはさっさと応接間を後にしようとした。その後姿に向かって、この邸に足を踏み入れてから恐らく初めてだろう、自主的に言葉を発した。
「レムオン兄様――」
 かつて実兄をそう呼んでいたように、親しみを込めてアリスは青年に呼びかけた。
 足だけを止めて振り向きもせずに、返って来た一言はとても簡潔だ。
「何だ」
 傍らにいた執事はこっそり笑いを押し殺している。
「いえ、なんでもありません。呼んでみただけです。練習です」
 そう言うと彼女は兄に向けてにっこり笑った。
 くだらん……、そう小さく呟くとレムオンは何事も無かったように応接室を後にした。






 村が業火に包まれて逃げ惑う村人と、残虐な魔物と――そこにセラが現れてなければあれから自分はどうなっていたのだろう。逃げ遅れた村人に生存者は居なかった。消えてしまった闇の神器と兄を探す当てもなく、焼け野原となった村で呆然と往生していたかもしれない。あの時は必死だった。だから何も感じなかった。けれど……時間が経てば経つほど鮮明に恐怖が蘇る。
 あの出来事を誰かに話したのはこれが初めてだった。話そうとしても、その時の恐怖のせいで状況など曖昧でおぼろげで上手く言葉にならなくて、あの時の事は誰にも一切話していない。
 振り返ると怖くて足が竦みそうになるから先のことしか見つめられなくなった。
 セラが居なければきっと自分は酷いことになっていただろうとアリスは思う。けれどセラが居てくれるのに決して埋まらない暗くて深い穴が心の何処かに空いている。
 レムオンに話してしまったことで少しだけその隙間が埋まったような気がするから不思議だった。
 アリスは闇の神器を魔人から守る神官の一族に生まれた。彼女は闇の神器の守護者となるべく修行中の身であった。彼女の故郷ミイスの村はそのための結界に守られた隠れ里である。竜王の目覚めと共に結界の効力が切れ、当然現れた女魔人によってあっという間に村は崩壊した。残ったものは奪われた闇の神器を取り戻すという使命と、居なくなってしまった兄を探したいという想いだけだ。後は全て跡形もなく消えてしまった。
 宛がわれた部屋は、流石は貴族の屋敷だけあり慣れぬ上品な基調で少々居心地が悪かった。疲れているのにさっぱり目が冴えてしまい、これまでのことを反芻してみると、なんだかとても不思議な気分になった。
 どうしてあたしはこんな所に居るんだろう――?
 あたしのおうちはミイスなのにね、とうっかり口から付いて出そうになってアリスはぎくりとした。飲み込むようにごくりと唾を飲み込んで久しぶりに味わう安宿とは違うふかふかのベッドにごろんと倒れ込んだ。
 前しか見ないと決めたんだ。セラがそうであるように。セラは奪われてしまった大切な何かをあの女魔人から取り返すために旅をしている。そんなセラと共に行くと決めたから。
 目の前にあるものは、旅の目的ともうひとつ、今日からはこのリューガ家の一員であるということ。神官の家に育ったからその道の教養と知識は心得ているが貴族の心得など何一つ知らない。明日からは大変なんだろうなと思えば気が重くもないが、頑張れる気がした。
 一気に全て零れ落ちてしまったこの掌が空っぽでなくなるのだから。
 何だって良い。自分の存在意義を出来るだけたくさん見つけないと、どこかで心が折れてしまうような気がしてならなかった。













*******

読んでくださってありがとうございます!

やっと始まりました。レムオン×ミイス主です。
初プレイが黄金主だったので最初レムオン×黄金主に嵌ってたはずが、×ミイス主がいつのまにかお気に入りになってました。主にセラがお気に入りになってしまったからです。でもあくまでもレムオン×ミイス主前提。ミイス主と居るとセラはやたらと良い奴に見える。それ以外発だとてんでどうでも良い人なのに。
ミイス主にとってロイは“兄”でセラは“兄代わり”であってレムオンは“義兄”。ロイが居ない間、彼女はどちらにロイを重ねてどちらに男を見るのか、なんて――妄想がムクムクムクムク……。セラとレムオンはポジションも性質(どっちも勝手に自分の中でかなり捏造されているけれども)も似ているところがあるから対比しやすい。
愛すべきむっつりさんのふたり。
現時点で半分くらい書き進めていますが、結末は未だ未定のままだったりします。セラが可愛くて、レムオンも可愛くて。。。結末だけがどうしても決まりません。
どちらが報われるのか、それとも誰も報われないのか――まだわかりません。
あ、でも。あくまでレムオン×ミイス主のお話です。

まだまだどういうお話に転ぶかわかりませんが、
宜しければ引き続きお付き合いください。
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