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◆幻想水滸伝(パーシヴァル中心に全シリーズ)をメインとした趣味の二次創作・固定ヒロイン夢小説を扱ったブログです◆各版権元製作企業・関連会社とは一切関係ございませんが著作権は筆者さやなにあります◆
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さやな

Author:さやな
寒いと生きていけないと言いつつ
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モノ書きするくせに筆不精な自分が歯がゆい今日この頃

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幻想水滸伝4 お題【 永遠 】

登場人物は4主(名前は小説版からラズロで)、ケネス、坊ちゃん

マクドール邸にて、夜更けに。ものすごっく先のお話。



すっかりまたまた更新停滞していて申し訳ありません。
生存報告に代えまして久々にお題を消化。







【 永遠 】












 懐かしい夢を見た。夢だと気づくと次第に胸が締め付けられて、遂に目が覚めた。
 夜は明けていない。月が世を照らしている時間、部屋は薄暗いまま。
 それが一層心細さを誘った。
 ベッドを抜け出し、なるべく音を立てないようにドアを開けた。部屋の外を覗き見ると、廊下はしんと静まり返っている。ラズロはそっと部屋を出た。
 不思議な気分だった。気が付いたら随分長く生きている。もはやその長さが気にならないくらいに長生きしている。色々な記憶が詰め込まれて、残っている大事な思い出も全てぼんやりとしかけているのに。夢の中だとどうしてあんなに鮮明なのだろう。
 まるで昨日のことのように、はっきりとくっきりと全てが鮮やかに蘇る。






 ――おーい、ラズロ。ラズロ……ラズロ?
 何度も名前を呼ばれているのに全く気づく様子の無い彼は我に返った瞬間、盛大に仰け反った。
 ケネスは何度ラズロの名前を呼んだかわからない。いくら呼んでも返事はないし、目が開いているから寝ているわけでも無さそうなラズロが次第に心配になってきて顔を覗きこんだだけだ。
「……お前な、そこまで嫌な顔しなくても良いだろ。結構心配したんだ」
 ラズロはまるでうわの空だったことなど忘れて気持ち悪そうに顔を歪めている。ケネスは見せしめに溜息を吐いた。釣られてラズロも溜息を吐いてから慌てて訂正する。
「……幸せが逃げる」
「と思うならば。そういうのは他人に見えないところでしろ」
 考え込むなとは言わない。言ったところで考えずには居られないだろうから。他人に言うつもりが無いならば、せめて、見えないところでお願いしたい。
 虚ろな目で海を覗き込んでいても、その目にはまるで海が映っていないようだった。到底見えない深海の底か、それとも別の何かか。何も映っていないのか。ともかく、心臓に悪すぎる。そのまま思い余って飛び込んでしまいそうなんていう心配はラズロに限っては無用である。その代わりに、その様子は消えてしまうんじゃないかなどという不安を抱かせた。
「……ごめん」
 儚げな笑みを浮かべてラズロは謝った。思わず吐きそうになった溜息をケネスは慌てて飲み込んだ。
「何考えてた?」
「少し前のこと」
「少し前って、どの少し前だよ」
 色々なことが一気に起こって目まぐるしく自分たちの状況は変わって行って――全部少し前のことだ。ほんの短い期間のこと。
「全部だよ、全部。反芻してた」
「そんな必要あるかよ。起きたことは起きたこと、考えたところで戻らない。お前は何も変わってないし、俺も変わらない。何もな」
 そうだね、とラズロは控えめに相槌を打った。
 この先のことを考えるために色々思い起していたなんて、ケネスには見透かされている。言えばまた溜息を吐かれるだろう。幸せが逃げる。だったら考えなければ良いことだし、第一、猫の手でも欲しい現状にそんなことを考えている暇など無いはずなのだ。それでも、気を抜くと耽ってしまう。どうしても考えてしまう。
 そんな時は甲板で水面を見つめるのが一番だ。
 ラズロは吹っ切っるために空を仰いだ。視線を真っ直ぐ前に戻すといつも通りの顔をする。
「お腹すいたよ。饅頭食べに行こう」
「おう。新作が出来たらしいぞ」
「へぇ、それは楽しみだね」
 好物の前にすっかりご機嫌な様子のラズロはさっさと歩き出す。すっかりいつも通りだ。
 頭の先とか手の先から透けていっていつしかそこに誰も居なかったように自分は首を傾げる。などという馬鹿げた想像をあの姿を見ているとうっかりしてしまいそうになる。馬鹿げている、どうかしていると自分でも思う。
 相手がラズロだから余計なのかもしれない。
 ケネスは真面目を絵に描いたような優等生で、代わりに少し融通が利かない。そんなケネスから見てラズロはしっかりし過ぎている感が昔からあった。自分と違ってラズロは融通が利く人間なのだ。それ故、不安を覚える。完璧過ぎる。
 受け流す振りが得意な彼が顔色を変えることなど滅多にない。指揮能力の高いラズロは気持ちの切り替えが早く、しかしそれは決して切り替えただけで忘れたわけではない。彼の澄んだ瞳の奥は深すぎて誰も気づかない。心の中に溜め込むスペースがあって、そこは厳重に鍵が閉めてあって――彼は溜め込んだものを決して他人にはチラつかせない。
 ラズロが虚ろに考え込む姿をケネスが見たのは彼が盟主になってからだ。紋章のせいなのだろうかと考えたが彼は違うと言った。
 ――この船は乗り心地が良いから。つい、ね。
 ラズリルを追放されてお先真っ暗な状況ですらラズロはいつもの表情だけは崩さなかったのに。
「今更だろうに」
 ケネスはぽつりと呟いた。振り返ったラズロが首を傾げる。何でも無いと返すとケネスは立ち止まったままのラズロを急かした。
 繕ってきた自分を晒すのは怖いことだ。ラズリルに居た頃は口に出せば弱ってしまいそうで本音はひた隠して過ごしたし、相手のそれを指摘しようとも思わなかった。どちらかが口にすればきっと互いに弱ってしまいそうで怖かった。
 多感な年頃の中で彼らは少し皆より精神的に大人びていて、仲間の感情的な言動を上手く嗜めるのが彼らの役目だった。それは誰かがやらなくてはならないことで、たまたま自分たちがその誰かだった。それだけだ。別に、特に出来た人間なんかじゃない。
 恐怖や理不尽さを感じても本音など言える立場じゃなかった。
 それを苦に感じるよりも、いつしか逆に本音を吐く方が恐ろしくなる。
 いつだって客観的に物事を見つめられたのは主観を含めてしまうのが怖かっただけだ。
 無人島の長い夜にチャンポの心地良さそうな寝息を聴きながらケネスはラズロとポーラとそんな話をした。今ここに居なかったら、きっと一生そんな話はしないだろうと苦笑い合った。
 だからもう、今更だと思うんだ。






「君も僕らにとても似ているよね」
 それは部屋で眠っているだろう邸の主に向けた言葉だった。
 あの頃は怖くて仕方なった。ラズロにとっては少し先の未来、彼らにとっては随分先であるだろう未来が。
 いつのまにか誰も居なくなって罰の呪いなんて誰も知らなくなって。あの頃、この呪いが解けるなどとまだ知らなかったけれど、きっと忍耐強い自分は誰よりも長く長くこの呪いを守り続けるような気がしていた。断ち切れないこの呪いを断ち切る方法はただひとつ。意志で封じるしかなくて、彼はそう出来る自信が何故かあった。
 それは別れを意味する。
 全てが終わったら全ての人に別れを告げなければいけないけれど、そういうのは少し苦手だから消えてしまおうか。そんなことを考えていた。
 勝手に消えるのも別れを告げるのも怖くて怖くて仕方が無かった。
「ラズロさん?」
 静かな夜更け、小声でも良く通る。邸の主の声だった。
「あなたも、眠れないんですね」
「君も?」
「良く目が覚めるんです。夢見が悪いわけじゃないのに。寧ろ良すぎて夢の中で不安になるのかな」
「記憶って不思議だよね。どんなに昔のことでも何処かにはっきりと蓄積されてるんだね。まるでどうでも良いことまで鮮明でさ」
 それからふたりは互いの昔話をした。
 夢に見るとあんなに不安に苛まれるのに、不思議と話したくて仕方がなかった。ラズロも彼も、普段なら昔話を躊躇う嫌いがあった。相手が誰だとしてもそこは譲れない。不安が広がるのが怖い。それなのに、いざ口に出してみると懐かしさが広がって胸が温かくなった。尽きることなく何時間も話し込んだ。   
 空が白みかけた頃、遂に話題が尽きた。
「僕、旅に出ようと思うんです。本格的に、根無し草になってみようかと」
「この邸は?」
「彼らに、正式に譲渡しようと考えてます」
「そう、一緒に行く?」
「良いですね。あなたとなら上手くやれそうな気がします」
 君は僕らにとても似ている。宛てのない開放感はきっと本音を晒すにちょうど良い。自分がそうであったように。
 暖かい夢に不安を覚えるのはきっと、あれからラズロが孤独だったからだ。
 いつか来る別れを恐れて孤独を好む振りをした。
 永遠なんてありはしない。真の紋章を宿していたとしても、生きている限り、人である限り、いつか終わりがある。永遠に近い長い時が待っていても、いつまでもそれが有意義であるように生き続ける。彼らには費やせる長い長いたくさんの時間があって、いつかはたりと終わりを告げても良いように。
 たくさん有益な時間を築いていつか――今彼に話したように、昔の仲間にまた会える時が来たら彼の話をしよう。
 だから、孤独はそろそろ終わりにしようか。














*******

読んでくださってありがとうございます。
お久し振りでございます。

二次創作って難しいですね。
内面的なものを描くにはゲーム上で描かれた性格付けを更に掘り下げて掘り下げていかなきゃいけないわけで。
はぁ~、他のもの書きさんの作品を読みに行くたびにみんなすごいなぁと思います。
どうにも。掘り下げて生まれた多面性とかを矛盾を感じさせないように書けている気がしない。
と、いうわけで。
主に上記で描かれたケネスの性格は彼らの主観的な視点からってことでご容赦ください。
周囲の印象(プレイヤーである自分含め)≒本質ではないってことで。
って、ここで弁解しているのがそもそも間違っているような気もしないでもないですが……
要はあたしの主観ってことっすね。駄目ですね。殊性格付けに関しては主観がうまく取り払えない。。。

ケネスが好きです。格好良いよ~。
初期メンバーにはケネスとポーラを選ぶっていうのがうちのデフォルトです。
信念に忠実な頭の固さが素敵。
幻水4ではあとハルト君がお気に入りです。マイナーすぎて二次サイトで彼はなかなかお目にかかれないけれど。
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